「痔があるから」と自己判断するのは禁物
便潜血は一般に大腸がん検診でよくおこなわれるもので、簡略して言いますと、便の中に血が混じっているかどうかを判別するものです。今の便潜血検査は胃での出血には反応しないので、便潜血陽性ということは、腸に出血の原因があることが考えられます。
1つ懸念としてあるのは、便潜血検査で陽性となっても、「自分は痔があるから」と二次検査を受けない方が少なからずいらっしゃることです。痔で陽性が出ることは確かにありますが、最近の研究によると、痔があってもなくても便潜血検査で陽性が出るかどうかに違いは見られないということがわかってきました。ですから、便潜血陽性が痔のせいと決めつけず、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
昨今は大腸がんに罹る方が非常に多くなっています。それを内視鏡でポリープのうちにとるか、そうではなく、がんになってから手術で取り除くかで、その後の生活は大きく変わります。大事なことなので繰り返しますが、便潜血の結果を軽視せずに、内視鏡検査でチェックすることが大切です。
- 上野消化器内視鏡クリニック
- 三好 耕太郎 院長
- 台東区/上野/上野駅
- ●消化器内科