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  • 犬のクッシング症候群

メジャーなホルモンの病気の1つ

クッシング症候群とは、脳下垂体や副腎の腫瘍化などが原因となり、コルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることによって起こる疾患です。症状としては、お水をたくさん飲んでおしっこを多量に出したり(多飲多尿)、食欲が大幅に増したり、患者によっては脱毛や皮膚に病変が見られる子もいます。「急に食欲が増えたけど、若返ったのかな?」といったように、病気に気づかないまま時が過ぎてしまうことも珍しくありません。皮膚の症状が見られる場合は比較的早く見つかりやすいのですが、多飲多尿や食欲増進といった症状については、病気を見逃しやすい傾向にあります。
症状だけでは見つかりにくいことは今申し上げた通りですが、定期的な血液検査によって発見に至ることもあります。高齢の犬によく見られる疾患ですので、7~8歳以上になったら、年に2回をめどに検査を受けられたほうがいいでしょう。
クッシング症候群で命を落としてしまう子もいます。しかし、適切な治療を受けさえすれば寿命を延ばせることの多い疾患でもあります。一見、健康に見える子でも何かの病気が潜んでいることがありますので、安心して暮らせるよう、定期的な健康診断を考慮いただければ幸いです。

垰田 高広 院長
葛西りんかい動物病院
垰田 高広 院長
江戸川区/中葛西/西葛西駅
●犬 ●猫
  • 犬の前十字靭帯断裂

犬の前十字靭帯断裂は、加齢性変化が要因の1つに

前十字靭帯断裂とは、前十字靭帯という靱帯が部分的または完全に断裂することであり、断裂の程度により部分断裂と完全断裂に分かれます。前十字靭帯は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)を結ぶ靭帯で、脛骨の前方変位(前方への動き)と内旋(内側にひねる動き)を制御しているため、断裂すると膝関節に不安定が生じ、正常に歩くことはできなくなります。
人ではよくスポーツ選手などが外傷により発症しますが、犬では多くが靭帯の加齢性変化に力学的因子が加わることで発症します。生後、年数を重ねて靭帯の線維が弱くなっている状態で過度な力が加わった時に断裂しやすくなるのです。ここで言う「加齢性」とは、「老齢性」とは意味が異なり、単に「年数を経て」ということを指しますので、若齢や中齢でも発生します(つまり、老齢に至らなくても靭帯の線維は脆弱化します)。
一方の脚で前十字靭帯断裂を発症した犬の60%が2年以内に対側肢でも発症したという統計がある他、特に小型犬において、膝蓋骨内方脱臼(膝のお皿の脱臼症)を基礎疾患に持つ犬では、そうでない犬より7倍発症しやすかったという研究結果も報告されています(膝蓋骨内方脱臼の存在により、普段から内旋方向への力が掛かっているため)。
また、前十字靭帯を断裂した場合、断裂の程度に関わらず変形性関節症(DJD)と呼ばれる関節疾患を続発し、これは治療の有無に関わらず進行します。DJDは、損傷した関節軟骨を修復しようとして関節に隣接する骨に骨棘(こっきょく)が現れます(ボコボコとした骨の増生所見)。前十字靭帯を治療したとしても、DJDによる症状(寝起きや歩き始め、長時間運動後の挙上=足を持ち上げる動作)は残ることがあります。ただしDJD自体は珍しい疾患ではなく、無症状なことも多く、1歳齢以上の20%の犬が罹患しているとも言われています。
予防するのは難しい疾患ですが、体重管理(適正な体重に減量)により膝にかかる負担を小さくすることは有効な予防策です。

治療としては、内科療法、または外科療法(手術)が選択されます。
内科療法は、数週間の消炎鎮痛剤内服と安静により、軟部組織(骨以外の組織)が関節を固めてくれるのを待つ方法です。ただし、一般的に内科療法が有効なのは体重が10kg以下の小型犬で半月板損傷を伴わない場合に限られます。半月板は、大腿骨と脛骨の間に存在する構造物でクッションの役割を担います。半月板は前十字靭帯断裂時に同時に損傷することが多く、一般的な検査で損傷しているかどうかを診断するのは困難です。
外科療法では様々な術式が存在します。当院では関節外法(flo法)と脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO法)を実施しています。flo法とは、関節の外に人工靭帯を設置する方法です。腓腹筋種子骨と脛骨粗面に開けた穴を糸で結び、靭帯の代替とします。手術の侵襲がTPLO法に比べ少なくて済みますが、小型犬のみが適応対象である他、軟部組織で関節が固まる前に糸が緩んでしまうリスクがあります。
TPLO法は、脛骨を切断し、膝の構造自体を変更して固定する方法です。犬は脛骨高平部に角度があるため、歩く度に、脛骨に前方へ変位しようとする力が加わります。本術式では脛骨高平部の角度を適正(5-7°)に矯正することで、機能自体を安定化します。侵襲が大きい手術ですが術後の再発は少なく、flo法よりも早い時期に機能が回復します。

廣間 純四郎 院長
みなみ野動物病院
廣間 純四郎 院長
八王子市/みなみ野/八王子みなみ野駅
●犬 ●猫
  • 犬の乳腺腫瘍

乳腺腫瘍を確実に予防するためには最初の発情前の「避妊手術」が有効

犬の乳腺は、左右に帯状に並んでいます。このうちのどこかにしこりができた場合、見て気づくこともあれば、ワクチン接種のときなどに触診で偶然見つかるケースもあります。乳腺腫瘍については「50%-50%(フィフティ・フィフティ)ルール」といって、罹患しら乳腺腫瘍のうち、半数が良性、半数が悪性であると言われております。そして悪性の乳腺腫瘍のうち、さらに半数が肺などへ遠隔転移するような悪性度の高い乳腺腫瘍と言われており、手術が不適応なる場合があります。

上記のとおり、悪性の乳腺腫瘍を発症すると手術や抗がん剤治療、放射線治療などを行う必要があります。一方で、乳腺腫瘍は、「避妊手術」という予防手術により発生リスクを劇的に減らすことができます。ある論文の報告によると、乳腺腫瘍の発生リスクは、初回発情前の避妊手術実施で0.05%、2回目の発情前で8%、2回目の発情以降では26%とされているので、初回発情前に避妊手術を行うことが望まれます。まだ小さな子に手術を受けさせるのは忍びない感じがするかもしれませんが、大切な家族の命を守るためにもぜひご検討いただければと思います。

牧野 祥之 院長
若葉台アニマルクリニック
牧野 祥之 院長
川崎市麻生区/黒川/若葉台駅
●犬 ●猫 ●ハムスター ●フェレット ●ウサギ ●鳥 ●その他
  • 犬のケンネルコフ

長引くかぜの症状は要注意。同居のペットがいる場合は早めの受診を心がけて

英語でケンネル(kennel)は犬小屋、コフ(cough)は咳を意味し、すこし前までは「犬のかぜ」を総称する病名として使われていました。そして人間のかぜと同じように、犬のかぜの約9割は体に備わった免疫の力で自然によくなることが一般的です。

一方で、咳・くしゃみ・鼻水といったかぜの症状がなかなか改善しない場合は、検査によって原因を特定し適切な治療につなげることが大切です。ケンネルコフの原因には11種ほどのウイルスや細菌があり、病気の原因を調べるにはコロナウイルスなどでお馴染みのPCR検査が有効です。検査の結果、細菌が原因であれば抗生剤などを使用し、ウイルスが原因の場合は免疫力を向上させる治療を行います。

ケンネルコフの予防にはワクチンなどがありますが、ウイルス性のものに対する抑制効果はあっても細菌性のものに対する効果は期待できません。とはいえ、多頭飼いをしているなど同居のペットがいる場合は、感染した子から次から次へと感染が広がってしまう恐れがあるため、ワクチン接種や早めの受診を心がけていただくとよいでしょう。

小薗江 亮太 院長
渋谷動物医療センター
小薗江 亮太 院長
渋谷区/渋谷/渋谷駅
●犬 ●猫 ●ハムスター ●フェレット ●ウサギ ●鳥 ●その他
  • 猫の尿路結石

愛猫がトイレに行ったきり、元気のない様子なら要注意

腎臓から膀胱までの尿路を「尿管」、膀胱からおしっこの出口までの尿路を「尿道」と言いますが、猫の尿路結石ではこのうちどこかの尿路に結晶や結石ができて尿路を塞いでしまう病気です。以前は日々の食事内容が原因とされていましたが、最近は猫の品種が多様化したことで病気を発症しやすい品種があるのではないかと考えられています。

症状としては血尿がみられたり、おしっこが出ないのにずっとトイレの場所にいたり、雄猫の場合はおしっこが出なくなるので比較的分かりやすいかもしれません。これに対して雌猫の場合は、尿管(腎臓から膀胱までの尿路)が詰まっても外からでは分かりにくいのですが、急に元気がなくなることが多いですから覚えておくと良いでしょう。もしも愛猫に「ご飯を食べない」などの変化がみられたら早めの受診をおすすめします。

尿路結石の治療法としては、点滴療法とカテーテル治療が挙げられます。点滴によって尿管の詰まりが解消されれば、その後は食事療法を行うことが一般的です。一方で、詰まっている尿道に直接アプローチするカテーテル治療は、飼い主さんの金銭的負担が少ないとは言えません。病気を未然に防ぐためにも、年に一度は健康診断を受診し、血液検査によって腎臓の数値を確認すると良いでしょう。

入江 なつは 院長
いりえ動物病院
入江 なつは 院長
文京区/本郷/本郷三丁目駅
●犬 ●猫
  • 猫伝染性腹膜炎(FIP)

『猫伝染性腹膜炎』とは?治療薬はあるの?

「猫伝染性腹膜炎」(FIP)は罹ると亡くなる病気です。猫伝染性腹膜炎には2種類あって、お腹に水が溜まるタイプと、できものになるタイプがあります。この病気には「猫腸コロナウイルス」というのがあるのですが、下痢・嘔吐など消化器症状が主となっています。人間の新型コロナとは全く別物ですので、咳や味覚症状の異常はなく、私たちに感染することはありません。猫腸コロナウイルスに罹って下痢をしていても、治療をすれば致死率は高くありませんが、1割くらいの確立で、猫腸コロナウイルスの突然変異により強毒化したものに罹るとほぼ100%亡くなります。しかし、最近見つかった治療薬によって治ることがわかってきているので、ステージにもよりますが8割~9割は治ることを期待できます。たとえ状況が悪くても40~50%くらい治る確率があるでしょう。薬名はないので物質名として出されていますが、現段階で日本ではまだ認証されていません。中国に怪しげな製剤を出している会社があるので入手は可能ですが、多くの獣医師はどのような副作用があるかわからず、リスクを負ってまで使いたくないと考えます。病院側にリスクはあっても、飼い主さんの同意が得られれば使うことができる治療薬です。治す方法はいろいろ提案されていますが、今のところその薬がないと治りません。予防法はなく論文に基づいて一応提案はしますが、公式なものではありません。下痢・嘔吐がある場合にはあまり長く様子見をせず、早めに獣医さんに相談してください。

松田 唯 院長
ガイア動物病院
松田 唯 院長
杉並区/下井草/阿佐ケ谷駅
●犬 ●猫 ●ハムスター ●フェレット ●ウサギ ●その他
  • 犬の外耳炎

犬の『外耳炎』原因や症状は多岐に及びます

【杉本 恵子 院長】 
症状は耳の中が赤くなり雑菌でちょっと汚れるというグレードから、そこに細菌感染を起こしてアレルギーが重なって、搔きまくって症状がさらに悪化して、精神的にもイライラして食欲もなくなるという外耳炎もあります。

原因や症状はいくつかあり、遺伝子にかかわるところから、犬の性格や反応によっても悪化の度合いもかかわってきます。性格によってはすごく気にしてしまう子もいるんです。耳の垂れている犬や立っている耳などによっても変わり、原因の特定は症状を診ながらでは判断できないくらい多岐に及びます。

治療については、治療薬があるものと炎症を抑えることしかできないものもあるんです。ステロイド等を使用することもありますが、ホメオパシー、医療用オイルを治療に取り入れています。ハーブなど自然療法を取り入れた治療法もあります。教科書に書いてあるのは1つのパターンであって「この子の場合はどうなんだろう?」と探していくことが原因の探求になるんですね。どうすればこの子にとって治療効果があるのか、といった治療計画立案をしていきます。

予防としては「どういう時に何をすれば起るのか」「どういうことをしなければ発生しないのか」と原因に戻って追究します。飼い主さんができる予防は「お耳が元気ですか?」とチェックすることから始まり、『ちょっと首をかしげているな』『痒がっているな』ということで気づくこともできます。

杉本 恵子 院長 & 国貴 副院長
南小岩ペットクリニック医療サポートセンター
杉本 恵子 院長 & 国貴 副院長
江戸川区/南小岩/小岩駅
●犬 ●猫 ●ハムスター ●フェレット ●ウサギ ●鳥
  • 犬の子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は避妊手術によって確実に予防できる

子宮蓄膿症とは文字どおり子宮の内部に膿(うみ)がたまる病気のことで、高齢犬に多くみられるのが特徴です。一般に免疫機能が正常にはたらいていれば、細菌などに感染してもダメージを受けることはほとんどありません。しかし、加齢に伴う免疫低下やホルモン異常、基礎疾患などのリスク因子を持っている場合は子宮蓄膿症を発症する恐れがあります。

子宮蓄膿症になると食欲減退から身体機能が低下したり、下痢や吐き気などの症状が現れたり、陰部から膿が出てくることもあります。治療の第一選択としては手術ということになりますが、高齢犬の場合は体力面や再発リスクなどに照らし合わせて内科的な治療を選択する場合もあります。

最近はペットに避妊手術を受けさせる飼い主さんが多くいらっしゃいますので、子宮蓄膿症の子を診ることはずいぶん少なくなりました。これに対して、避妊手術をしていない高齢犬では発症リスクが高まりますので注意が必要です。いずれにしてもほかの病気と同じように子宮蓄膿症も早期発見・早期治療が大事になります。将来的なリスクを回避するという意味では、子宮蓄膿症を確実に予防できる避妊手術をご検討いただくとよいでしょう。

伊藤 浩一 獣医師&伊藤 洋一 院長
伊藤動物病院
伊藤 浩一 獣医師&伊藤 洋一 院長
南埼玉郡宮代町/学園台/東武動物公園駅
●犬 ●猫 ●ウサギ
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