神奈川ドクターズ  |  病院・クリニック・歯医者・動物病院の検索サイト

内田 千代子 院長

CHIYOKO UCHIDA

うつ病・不安障害、発達障害の専門医による、ジェンダーを意識した丁寧で適切な治療で心の健康をサポート、海外での経験と英語での診療。「子どものこころ専門医」として児童青年期治療

東京学芸大学附属高校卒業後東京大学理科Ⅱ類入学。東京大学農学部農芸化学科卒業後、東京大学教育学部学士入学を経て、東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学医学部付属病院神経科精神科、アメリカイエール大学関連病院、スイス製薬企業臨床研究部門精神科研究員、法務省務技官、東芝林間病院神経科医長、茨城大学、福島大学、星槎大学大学院教授などを経て、2023年7月『内田メンタルクリニック関内馬車道』を開業。

内田 千代子 院長

内田 千代子 院長

内田メンタルクリニック関内馬車道

横浜市中区/常盤町/関内駅

  • ●精神科
  • ●心療内科
  • ●児童精神科

「直接的に人に役立つ仕事がしたい」という思いを胸に目指した精神科医―フラメンコの情熱も

内田 千代子 院長

東大では自然科学を専攻し、牛乳アレルギーの研究をしていましたが、物よりも人間に興味があることを自覚し、卒業後は教育学に進みました。しかし、より直接的に人の役に立つ仕事をしたいという思いが募り、医師を目指して東京医科歯科大学に一年生から入り直し2年生の時に学生結婚し、その2年後に娘を出産して、学業と育児の二足の草鞋生活がスタートしました。その頃、フラメンコダンサーもやってましたので、三足の草鞋ですね。
ちなみにフラメンコは、東大生のころに夢中になりました。自治会活動などに関わった後、もっと自分らしいことをやりたいという思いで習い始めて、その世界の虜になりました。最近はパーティなどで踊るくらいですが、、。
子連れの医学生・研修医生活は、本当に大変でした。
保育園に行きたくないとぐずった時には、病院に連れて行ったりしたこともありましたね。そんな時は、医局事務の方や、先生方が遊んでくれたりして、大変お世話になりました。あの、アグネス論争のずっと前から、職場に子どもを連れて行っていたことになります。とはいえ、当時は、女性医師も少なく、新人精神科医局員は毎年一人だけで、「女の医者はいらない」なんてことを公共の場で言う管理職もいた時代です。「だから女は…」と言われないように、とそれなりに気を使っていたように思います。スタッフと激しい議論を交わす男性医師を横目に、羨ましさを感じたこともありました。

日本とは異なる環境のアメリカやスイスで働いて、気づき、そして得たもの

内田 千代子 院長

アメリカで臨床の勉強をする機会を得たことで視野を広げることができました。イエール大学の医学生の半数は女性、さらに精神科の研修医は半数以上が女性で、当然、「女の医者はいらない」なんてことを言う人はいません。
また、当時の日本では深刻な病名を本人や家族に伝えないことが多くありましたが、アメリカでは、本人や家族に病名を伝えるのが基本。また、日本では電気痙攣療法を行う際には患者の同意もなく、麻酔もかけずに行われることが珍しくありませんでしたが、アメリカでは本人の同意の上で、麻酔科医の参加で行われていました。あれから30年以上が過ぎ、今では日本でも同意を得たうえで麻酔をかけて行うのが一般的になりましたので、ご安心くださいね。
このように、日本とは異なる環境下で、思春期青年期治療、グループ療法、家族療法、自傷自殺予防、発達障害などに携わりました。その後、スイスの製薬会社の臨床研究部門精神科研究員として、抗うつ剤やADHD治療に関する臨床研究に従事し、様々な知見を得ることが出来ました。
海外での生活は、精神科医としての研鑽を積めたことはもちろん、ジェンダーに関する気づきを与えてくれた、貴重な体験となりました。
帰国後は、法務省矯正施設での思春期の問題行動の治療、企業立総合病院神経科での産業精神医療、その後は大学教員として大学生のメンタルヘルス支援・留年休学ひきこもりや自殺の全国調査責任者、特別支援教育と療育関係の医療、社会人大学院での教育などに携わりました。
臨床的には、うつ病や躁うつ病などの気分障害、パニック障害や社交不安障害などの不安障害、自閉スペクトラム症やADHDなどの発達障害の専門医として、こどもから大人まで多くの患者さんに向き合ってきました。そして、これまでの経験を活かして、メンタルヘルスの理想をめざすような拠点を作りたいという思いがつのり、開業を決意しました。

ジェンダーを意識した精神医療

内田 千代子 院長

私が特に意識しているのが、患者さんが安心して受診できる環境づくりです。特にジェンダーバイアスに関しては、細心の注意を払っています。というのも、私たち精神科医は、心を見る専門家でありますが、時に自分の偏見や価値観を患者さんに無意識に押し付けてしまうことがあるからです。
私は女性医師なので女性の患者さんが多いのですが、患者さんがおつれあいのことで男性の医師に相談したら「それくらい我慢しなさい」と言われて傷ついた、といったお話を伺うことがあります。これはまさに、その人が持つバイアスが起因する言葉。本人は何気なく放った言葉であっても、患者さんに大きな傷を与えてしまい、苦しませてしまうことがあるのです。
私自身も、男性の患者さんが泣く姿を見るとうろたえてしまうことがありました。女性が泣く姿にはそのようなことを感じることがなかったので、改めて自分の中にあるジェンダーバイアスに驚いたものでした。ハーバード大学准教授でアメリカで精神科医として働く娘の内田舞からも、多くの刺激を受けて、自分の中の無意識の偏見・差別=マイクロアグレッションについて意識を向け始めました(「ソーシャルジャスティスー小児精神科医 社会を診る」 内田舞著 文藝春秋新書,2023 参照 )。私たち治療者側の思い込みや価値観は、その後の治療に大きく影響します。そのためにも、自分の中の無意識の偏見・バイアスを忘れずに、患者さんと向き合うように心がけています。そうでないと、治療的にも良い方向に向かっていきません。私は、日本精神神経学会の男女共同参画委員会、アンチスティグマ委員会などに属してますが、今年の総会で「マイクロアグレッションの理解と克服~精神医療の向上と共生社会の実現のために」というシンポジウムを企画し、ハーバード大学内田舞氏の問題提起を受けて、フェミニズム研究者、LGBTQ当事者兼心理士らと議論を交わしました。私は、日常臨床での対応について提案しました。

クリニックの治療方針

当クリニックの治療方針は、精神療法、薬物療法が主体ですが、「効果のあるものなら何でも試みる」で、症状に沿った最適な治療法をご提案していきます。まず第一に、薬物療法には多くを期待できます。うつ病やパニック障害・社交不安障害などの不安障害には、認知行動療法とともに、お薬が有効であることは広く知られていますが。何をやっても治らないといわれることが多い発達障害にもお薬は大きな助けになります。さらに、発達障害の患者さんには、周りの環境や配慮が重要となります。ご家族の方はもちろん、学校や会社に理解してもらえるよう、援助を受けやすくなるよう、適切な指導を行っています。
rTMS治療(磁気療法)や電気けいれん療法の適応のある方には関連施設にご紹介します。
今は、疾病に適した様々な治療法がありますので、ひとりで悩まず是非一度ご相談ください。

日本のみならず、世界中の治療法を吸収したクリニックづくりを

日本のみならず世界中の最先端の治療法を吸収していくことが欠かせません。今も、以前お世話になったイエール大学や、ハーバード大学に赴いて、様々な治療法を学ばせていただいています。得た知見をクリニックでの治療に反映することで、ひとりでも多くの患者さんのお役に立ちたいと思っています。
夢は、治療だけでなく予防やリハビリも含めた活動ができる拠点を作ることです。社会復帰に向けてのリハビリを行うデイケアは、今は一般的になりました。草創期にプログラムに取り組んだ経験があるので、人々が参加しやすく役に立つ方法を探っています。また、当クリニックでは小学生以上のお子様の治療も行っているので、病気に悩むお母さん達のグループも作りたいですね。オンラインでの勉強会や在宅の方への援助も考えたいです。

『内田メンタルクリニック関内馬車道』は、JR関内駅より徒歩23分、みなとみらい線馬車道駅より徒歩6分とアクセスしやすい場所にあるメンタルクリニックです。気分障害、不安障害、発達障害の専門医として40年近くの臨床経験を活かし、ジェンダーを意識した丁寧で適切な治療法をご提案します。
また、当クリニックでは、英語での診察や小学生以上のお子様の診察も行っております。経験豊富な女性医師がお話をお伺いしますので、精神科や心療内科のハードルが高いと感じている方も、構えずに治療をスタートすることが出来ます。
まずはどんな些細なことでも構いません。心に小さな不安を感じたら、お気軽にご相談ください。

※上記記事は2023年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

内田 千代子 院長 MEMO

  • 出身地:群馬県
  • 出身大学:東京医科歯科大学医学部
  • 趣味・特技:ピアノ、フラメンコ、スキー
  • 好きな音楽:「ショパン、ミュージカルが好きです」
  • 好きな映画:「たくさんありますが、『The Great Gatsby』」
  • 好きな場所・観光地:アメリカのConnecticut州、スイスアルプス
  • 好きな言葉 座右の銘:「Social Justice」

グラフで見る『内田 千代子 院長』のタイプ

エネルギッシュで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

エネルギッシュで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

CLINIC INFORMATION