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樺島 重憲 院長

SHIGENORI KABASHIMA

アレルギーの専⾨医として、エビデンスに基づいた診療で患者さんの悩みに寄り添う地域のかかりつけ医

東京⼤学⼯学部卒業・同⼤学院で博⼠号取得した後、⼈⼯衛星の開発に従事する。そんな中、⼦供の頃から抱いていた”医師になりたい”という夢を実現するため、富⼭⼤学医学部に学⼠編⼊学し、卒業。⽴川相互病院、都⽴清瀬⼩児病院、⼩児総合医療センターでの研修を経て、⽴川相互病院⼩児科・科⻑を代⾏する。平成31年より国⽴成育医療研究センターアレルギーセンターでは研究・診療を⾏い、医⻑も務める。令和5年5⽉にえがおの森こどもアレルギークリニックを開院。

樺島 重憲 院長

樺島 重憲 院長

えがおの森こどもアレルギークリニック

川崎市高津区/溝口/高津駅

  • ●小児科
  • ●アレルギー科

アレルギーの専⾨医としての研究経験を活かし、最新の治療法で患者に寄り添う、⼈⼯衛星開発に関わっていた異⾊のドクター

樺島 重憲 院長

私の経歴は少し変わっています。医師になる前は⼈⼯衛星の開発に携わっていました。⼦供の頃の夢が”もの作りの道”と”医療の道”の2つあったからなんです。最初はもの作りの道を選んで東京⼤学⼯学部を卒業後、⼈⼯衛星の開発に関わり、”仲間をサポートするポジション”に特に魅⼒を感じながら仕事をこなす⽇々でした。ただ、胸の⽚隅には「医師になりたい」という気持ちが残っていたんですね。今度は医師として患者さんをサポートしたいと思い、富⼭⼤学医学部に学⼠編⼊学しました。卒業後は⼩児科に進み、アレルギーを専⾨として学びました。アレルギーの分野は治療法の変化が⽬まぐるしく、5年や10年で常識が変わってきています。それによりどんどん治療が良くなって、治る病気が出てきている⼤変興味深い分野です。国⽴成育医療研究センターアレルギーセンターでは診療と同時に研究をこなしながら経験を積み、当クリニックを開業するに⾄りました。
開業したこの地域は、若いご家族が多く活気がある⼀⽅で、大山街道の宿場町であった古き良き時代の⾯影もしっかりと残っています。クリニックと同じビルに⼊っている薬局は260年の歴史があったり、近くのお茶屋さんも江⼾時代から続いていたりと歴史を感じるお店ばかりです。また、周囲に⼩児科があまりなかったということもあり、この地での開業を決めました。実際、患者さんから「離れた場所まで通院していて⼤変だった」という声も聞かれています。地域の皆さんの⼒に少しでもなれるよう、かかりつけ医として貢献していけたらと思っています。
アレルギーの分野は病気の捉え⽅がどんどん変わって来ていますが、これまで様々な研究に携わっていた経験から最新のアレルギー治療を取り⼊れているので、安⼼していただけることはもちろん、困っている皆さんのお役に⽴つことが出来ると考えています。

早期対処が治療の鍵に!アトピー性⽪膚炎

樺島 重憲 院長

アトピーは昔から治療に苦労してきた病気ですが、最近ではアトピーが起こる仕組みはどんどん解明されてきていて、治せる病気と認識され始めています。さらに、⼤⼈よりも⼦供の⽅が治しやすく、治療は早ければ早いほど良いと⾔われています。乳幼児であれば治療を始めて10⽇くらいでお肌がツルツルになり、痒みもありません。⼤きな⼦でも2週間くらいでおおむね綺麗になります。アトピーの原因は2つあり、1つは異物を体に⼊れないための⽪膚のバリア機能が⽣まれつき体質的に弱いことです。もう1つはアレルギーの体質であることです。このため、⽪膚の下にアレルギーの細胞が住み着いていて、外から埃やダニなどの異物が⼊ってくるとそのアレルギー細胞が反応して炎症を起こして湿疹が出てきてしまいます。そこで、”バリア機能の低下”を保湿をして補っていきます。それに加え、アレルギー体質の⽅は、薬で炎症をおさえていくことで少しずつアレルギー細胞を減らしていきます。このような治療を経て、アトピーの湿疹が出づらい肌を作っていくのです。アトピーの治療というと副作⽤の出るステロイドを⻑期間使っていくという印象がある⽅もいるかもしれませんが、短期間使うだけなら副作⽤も出にくいことがわかっています。短かいスパンでお肌を休ませながらうまくステロイドを使う正しい治療を⾏えば改善に向かっていきます。
アトピー治療は家族というチームで⾏うのが⼤切です。症状がひどい時には⼤変なこともあるでしょう。そこを患者さんであるお⼦さんだけでなく親御さんも⼀緒に取り組むことでしっかりと治療を続けていけると思います。

⾷物負荷試験室を取り⼊れ、”少しずつ、⻑期間”で⾷物アレルギーを克服

樺島 重憲 院長

⾷物アレルギーに対する治療も進み、治せる病気の1つになりました。昔はアレルギーを恐れて出来るだけ⾷べないようにしていましたが、今はむしろ早めに⾷べた⽅がアレルギーが出ないという論⽂が出ていて、治療もその⽅針になっています。私も⼀部の研究に関わっていましたが、ピーナッツは⽣後4ヶ⽉から、卵は⽣後6ヶ⽉から⾷べた⽅がその後アレルギーが格段に少なかったという報告があります。そのため、今では”アレルギーにならないように普通に⾷べ始めましょうね”という認識に変化しているんです。また、⾷物アレルギーが出てしまっても、きちんと治療をすれば⾷べられるようになります。アレルギー反応を起こす⾷品も、ある程度⾷べ続けていると体が受け⼊れてくれるのです。治療のポイントは⾷べられる量を継続して摂取して量を増やしていくことです。そもそも⾷物アレルギーとはアレルギーの症状を”出そうとする⼒”と”抑える⼒”のバランスで症状が決まります。対象の⾷品を⾷べ続けることで抑える⼒が育っていくということが研究結果でわかっているんです。治療には少し時間がかかりますが、安全に⾷べられる量を病院で繰り返し確認していってください。当院では開業医では珍しい”⾷物負荷試験室”を備えています。負荷試験を⾏なっているのはほとんどが⼤きな病院ため、身近な病院で⾷物アレルギーの治療を⾏なってほしいという思いでこの試験室を作りました。試験室では、およそ2時間リラックスしながら検査を受けていただけます。以前勤めていたセンターでは、症状がひどくなってから紹介で受診される⽅が多かったのですが、当クリニックでは普段から通っていただき、湿疹が出たタイミングですぐに治療が出来るように患者さんに寄り添っていけたらと思っています。⾷物アレルギーの治療には経験と知識が必要なので、専⾨医にきちんと相談をしてください。

エビデンスに基づいた診察のもと、しっかりとした説明で納得出来る治療を提供

当クリニックでは、体の機能はもちろん、あらゆる研究で得られているデータなどエビデンスに基づいた治療を⼼がけて、回復のお⼿伝いをしています。そのため、⾵邪で受診された患者さんに咳⽌めや⿐⽔の薬は使っていません。というのも、昔から使われている薬でも効果がないのがわかっているからです。薬は稀でも副作⽤がありますから、効果がないのに副作⽤の危険性があるものを患者さんに提供すべきではないと私は考えています。加えて、⾵邪をひいた時には⾵邪や⿐⽔が出るというのも⼤切な体の機能だという認識も根底にあります。咳は体の中のウイルスを外に出す役割をしていますし、⿐⽔や痰はウイルスを粘膜とともに捨てることで体の外に出すという役割があるのです。症状がひどい場合、例えば痰が多くて困るということであれば、その排出を抑えるのではなく促すために痰切りの薬を処⽅することはあります。ただ、お⼦さんが咳をして⿐⽔を出していればやはり親御さんは⼼配しますよね。ですから、必ず、お⼦さんの体に今何が起きているのかきちんと説明させてもらいます。咳や⿐⽔は、⼦供たちが⾃然経過で乗り越えて元気になる過程であるということお伝えすると、お⺟さんたちは安⼼してお⼦さんが成⻑していく様⼦を⾒守ってくださるようになります。⼦供たちは普段の⽣活の中でお互いに様々なウイルスをもらって、その都度、体の中で抗体を作って抵抗⼒を培っていきます。⼤⼈になるまで何⼗種類もウイルスにかかっていくと思いますが、それを⾒守っていく姿勢も治療においては⼤切なんですね。
⼩児科はお⼦さん・親御さん両⽅の理解を得て治療を進めていく必要があります。医者になる前の患者としての経験や、研究を簡潔にわかりやすい⾔葉にまとめてきた経験を活かし、よりわかりやすい説明を⼼がけ、納得して治療に臨んでいただけるよう⼼がけています。

これから来院される患者さんへ

当クリニックは東急⽥園都市線・⾼津駅から徒歩1分とアクセスの良い場所にありますのでお気軽にお⽴ち寄りください。
富⼭⼤学ということから漢⽅についても学んでおり、漢⽅の処⽅も⾏なっています。漢⽅は免疫⼒を⾼めてくれる効果があるので、症状に合わせてご提案させていただきますのでご相談ください。また、アレルギーを専⾨に診療を⾏なっていますが、アレルギーに限らず、お⼦さんのことならなんでもご相談ください。必要であれば適切な病院もご紹介させていただきます。
⼦供たちにとって病院は苦⼿なところだと思いますが、そんな気持ちを少しでも緩和できるよう、採⾎はシールで⿇酔をして痛みを避る・予防接種は痛みを感じにくいポイントに針を刺すなど可能な限り痛みを避け、待合室もビデオを流して楽しい雰囲気です。⼦供たちが通いやすい環境を整えてスタッフ⼀同、お待ちしております。


※上記記事は2023年6月に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

樺島 重憲 院長 MEMO

  • 出⾝地:⻑崎県
  • 趣味・特技:合気道
  • 好きな作家:マイケル・クライトン
  • 好きな映画:マイ・フェア・レディ
  • 好きなアーティスト:⼤滝詠⼀、⼭下達郎
  • 好きな場所:ドイツのハイデルベルク

樺島 重憲 院長から聞いた
『蕁麻疹』

体調不良や疲れが原因で現れる⼦供の蕁⿇疹

蕁⿇疹は”湿疹”とよく混乱される⽅が多いように思います。湿疹は⽪膚の炎症です。簡単に⾔えば肌荒れですね。ざらざら、ガサガサしているのが特徴で、肌の表⾯が破れている状態です。症状が出始めてから時間の経過とともに悪化していきますが、塗り薬で対処すれば治ります。
⼀⽅、蕁⿇疹は⽪膚の表⾯に傷などはありません。症状は⽪膚の下に現れ、⾎管から⾎液が漏れ出している状態です。わかりやすいのは⾍刺されのように⽪膚がぷくっと膨らんでいる状態です。漏れ出した⾎液が⾎管に戻ると膨らんでいた⽪膚は元に戻ります。1度症状が出ると、良くなったり悪化したりを1週間ほど繰り返すのも特徴です。これが蕁⿇疹です。
蕁⿇疹の約8割は原因がないと⾔われています。アレルギーなど何かしら原因があるものが2割ほど、ごく稀に冷えが原因の蕁⿇疹もあります。ただ、蕁⿇疹が現れる理由はほとんどが体質的なものだと⾔われています。原因が気になるかもしれませんが、検査などをしてもわからないことがほとんどです。
⼦供に蕁⿇疹が⾒られるタイミングは、⾵邪などで体調が悪い時、疲れた時などが多いです。
外的原因があるわけではないので、治療は薬を飲んで症状を抑えて治していくのが⼀般的です。ほとんどの⽅が急性の特発性蕁⿇疹で症状は1週間程度、稀に⻑期間症状が続く⽅もいますが、こういった場合は花粉症の患者さんが飲む・抗ヒスタミン薬を飲み続けてもらい、⾃然に症状が出なくなるのを待ちます。
蕁⿇疹が出た時は、症状が出る直前に⾷物アレルギーが出るような⾷べ物を⼝にしたかどうかをまず確認してください。思い当たる場合はアレルギー検査をしたほうが良いです。それもなく、何かわからないけど蕁⿇疹が出たというときは様⼦を⾒ていいと思います。

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