西原 正博 院長
MASAHIRO NISHIHARA
透析によって生かされるのではなく、よりよく生きていくために透析を活用していただきたい
東邦大学医学部卒業。同大学医学部付属病院および同付属大森病院第二内科に勤務。社会医療法人財団石心会勤務を経て、医療法人社団朋進会に入職。2020年より同法人『横浜南クリニック』院長に就任(JR「港南台駅」から徒歩2分)。
西原 正博 院長
横浜南クリニック
横浜市港南区/港南台/港南台駅
- ●人工透析内科
地域の透析医療に貢献し続けて30年
もう40年ほど前の話になりますけども、親族がお医者さんのお世話になり、その光景に心を動かされ、医師を志すようになったのです。大学卒業後は腎臓内科に籍を置きました。腎臓は人間にとって非常に重要な臓器ですが、自覚症状に乏しく、症状が出た時にはすでにその人の人生を左右することが多いという面があります。その腎臓を専門的に診るこの科の重要性に興味を惹かれたのです。
『横浜南クリニック』の院長に就任したのは2020年のことになります。港南台駅から徒歩2分という立地にあり、電車で通われる患者さんには利便性の良いクリニックということになるでしょう。公共の交通機関での通院が難しくなった方については、ご家族に通院の介助をしていただいたり、あるいは無料の送迎サービスをご利用いただいています。
患者さん自身がよりよく生きるために透析を利用してほしい
透析によって生かされているわけではなく、患者さん自身がよりよく生きるために透析を利用してほしいと、そのように思っております。そのために私たちスタッフが、患者さんにとって最も良い医療を提供するために何をすべきか、ということを日々考えなくてはいけません。様々な側面がありますが、医療面について言えば、患者さんに恥じることのない、高いレベルの医療を実践するということに尽きるでしょう。同時に、医療と看護の両面で、患者さんの様々な問題、お困りごとに寄り添っていけるクリニックにしていきたいと考えています。
透析医療の現状を踏まえ、将来に向けた問題点にも積極的に取り組んでいく
当クリニックは30年余りに渡り、この地域の透析医療に貢献してきたことになります。この間には様々な、そして大きな進歩がありました。ひと昔前のように貧血で動きがとれないという方も見られなくなりましたし、透析の長期合併症であるアミロイドや腎性骨異栄養症(ROD)といったものも改善されてきています。これにより、透析患者さんのQOL(生活の質)が飛躍的に向上したことは間違いないでしょう。
その一方、現在の日本の透析医療を取り巻く大きな問題として、急速な高齢化が挙げられます。日本人の平均年齢(年齢中央値)は48.4歳とされていますが、透析患者さんのそれは70歳と言われています。しかも透析患者さんの平均年齢は、この40年の間に20歳ほど急速に上がってきているのです。その高齢化に伴う合併症をはじめ、様々な問題への対応がこれからは問われてくることになるでしょう。
患者さんを包括的に診ていくことも重視
ここ数年、特に積極的に力を入れているのが骨粗しょう症の検査と治療です。二次性甲状腺機能亢進症という疾患があります。これは腎不全に伴い、ホルモンのバランスを司る副甲状腺の働きがままならなくなり、様々な病態が起きてくるものです。この二次性甲状腺機能亢進症については、これまでも熱心に研究がなされ、治療もされてきた経緯があります。ところが、同じような病態を呈する骨粗しょう症は、透析の患者さんに非常に多く見られるにもかかわらず、これまでほとんど取り上げられることがありませんでした。ご存知のように、骨粗しょう症が進むと骨折しやすくなり、結果、寝たきりとなり、亡くなってしまう方が多くおられます。今後は骨粗しょう症によってADL(日常生活動作)を落とさないための取り組みが重要になってくると考えられ、当院でも検査と治療に一層力を入れていく所存です。
『横浜南クリニック』では、患者さん1人ひとりの過去から現在にいたるまでの病歴等をリストアップしたファイルを作成し、抽出した問題点を把握した上で個々の治療や看護をおこなっています。透析患者さんの高齢化が大きな問題と述べましたが、年齢を経てくると様々な問題が生じてきます。それを包括的に診断・治療出来ることが当院の大きな特色であり、病診連携や診診連携を進め、地域でしっかり患者さんを診ていける体制づくりにも力を入れていきます。
これから受診される患者さんへ
腎不全それ自体は治る病気ではありません。従って、合併症の発症予防と管理が大きな課題となってきます。先に挙げた骨折や、あるいは心筋梗塞、脳梗塞などの合併症の対策は患者さんの生命やQOL(生活の質)に直結するものであり、透析治療と並行してしっかりと診させていただきます。改めまして、患者さんに対して恥じない医療を実践し、心身の悩みに寄り添えるクリニックとなれるようスタッフ一丸となって努力をしてまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
※上記記事は2024年12月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
西原 正博 院長 MEMO
- 出身地:神奈川県
- 出身大学:東邦大学
- 趣味:ラジコン飛行機「競技会に出ていたことも」
- 好きなこと:旅行
- 好きな観光地:ハワイ
- 好きな言葉:「休むべからず 歩むべし」
西原 正博 院長から聞いた
『慢性腎臓病』
腎機能低下の進行を抑え、現在の腎臓の機能をなるべく維持し長持ちさせることが目標
慢性腎臓病(CKD)は、何らかの原因によって腎臓の機能が低下する病気です。慢性腎臓病という名前は聞き慣れないかもしれませんが、20歳以上の8人に1人いると考えられており、新たな国民病といわれることもあります。慢性腎臓病は、重症度によって症状の出かたが異なります。軽症の場合には、無症状のことがほとんどです。しかし、腎機能の低下が進むと、むくみ、夜間尿(夜間に何度もトイレに行きたくなる症状)、倦怠感、食欲の低下、吐き気、手足のしびれなどの症状が出ます。さらに進むと肺に水が溜まり、息苦しさが出てきます。慢性腎不全を治癒させる手段は、現時点ではありません。しかし腎臓の機能がある程度保たれていれば症状もなく暮らしていくことができますので、その後の腎機能低下の進行を抑え、現在の腎臓の機能をなるべく維持し長持ちさせることが目標となります。
病期が進行し腎臓の機能がほとんどなくなる(末期腎不全)と、自分自身の力で尿を作ること、老廃物の排泄、ミネラルなどのバランスをとることができなくなるので、血液透析や腹膜透析、腎移植などの腎代替療法が必要になります。腎代替療法として、わが国では血液透析を受けている患者が多く、2022年末で約35万人と毎年増加している状態です。そして日本の血液透析は、透析機器の開発技術と診断・治療技術の進歩により様々な合併症が克服されつつあり、欧米に比べ生命予後も良好で世界トップクラスと言われておりますが、社会保障制度が充実している点も大きな特徴です。本来、透析治療にかかる医療費は、外来血液透析でおよそ月40万円、腹膜透析でおよそ月30〜50万円です。このような高額の医療費も、さまざまな公的助成制度を利用することによって、多くの患者さんの負担はわずかとなります(月数千円程度以内が多い)。日本の血液透析は、治療環境も整った最も治療経験豊富な治療方法です。血液透析が、皆様の命と暮らしを守るための一助となることを願っております。
グラフで見る『西原 正博 院長』のタイプ
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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