多和田 哲雄 院長
TETSUO TAWADA
親切と優しさをモットーに、女性のヘルスケアを良質な医療で支えていく
順天堂大学医学部卒業。同大学医学部産婦人科学教室に入局。国際親善総合病院で長らく勤務医を務め、2010年に『多和田レディースクリニック』を開院(横浜市営地下鉄「中田駅」より徒歩3分)。「産科セミオープンシステムの確立」に対して第23回母子保健奨励賞受賞。
多和田 哲雄 院長
多和田レディースクリニック
横浜市泉区/中田東/立場駅
- ●産婦人科
産科の病診連携の構築に力を注いできた病院勤務時代
父が産婦人科の開業医をしておりました。その父から幼い頃より後継者となることを勧められていたということもありましたが(苦笑)、私としてはさほど抵抗を感じることもなかったのです。職住接近と言いまして、クリニックの横に私たちの住まいがありました。父はお産やら何やらで夜中に起きて仕事に行くこともしょっちゅうでしたから、子供心にも「大変だな」と思っていましたけども、逆に「いいな」と思うことも多々あったのです。父の病院では分娩もおこなっていましたが、生まれた子供が七五三になると、「先生、大きくなりましたよ」と父に見せに連れてきてくれていました。その温かみのある付き合いといいますか、近さに「いいな」と憧れたことがこの道に進む1つのきっかけになったのでしょうね。
大学卒業後は母校の産婦人科教室に入局し、その後、錦糸町にある賛育会病院に勤務しました。私が恩師と言える先生に出会ったのは、その病院でのことです。先生は、「病診連携」の構築に精力を傾けておられました。今では当たり前のことになっていますが、当時はむしろ、開業医と病院の双方が競争相手のようなところがあって、関係はスムーズではなかったのです。先生は今後を見据え、それではいかんというので、今につながる産科セミオープンシステムを形作ろうとされていました。ご存知の方も多いと思いますが、このシステムは妊婦健診を開業医が担当し、分娩は総合病院がおこなう形の連携です。先生の元で私はその良さを実感し、それを広めようとのちに勤務することになる国際親善総合病院で現実のものとなるよう奔走してきました。このシステムは今では横浜中に広がっていて、横浜の主たるクリニックはほぼ取り入れているという状況です。
『多和田レディースクリニック』を開業したのは2010年のこと。私は現在でも週に1回、かつての勤務先である国際親善総合病院で外来や手術を担当しています。立場が変わり、今度は私が開業医となったことで、より高度な病診連携を求めて試行錯誤をしているところです。
妊娠関連のお悩みが多い
長年に渡り病診連携に努めていた関係もあり、妊婦健診等、妊娠に関連する患者さんが多く来院されます。全体的な傾向として分娩数自体は減っていますけども、今でも一に妊娠が絡む相談事が多いですね。次に最近多いのが、生理痛や子宮筋腫、子宮内膜症等に対応するホルモン療法を受けている患者さんということになります。昨今はそうした疾患は手術を急がず、内科的に治療をして経過を見るというケースが多くなってきました。とはいえ、必要がある場合にはすみやかに手術のできる施設へとご紹介することになります。患者さんの希望、もしくは疾患によって実績のある施設をこちらで選り分けてご紹介するという形をとっています。
患者さんに納得していただいて治療を進めていく
診療に際しては、よくよくご説明することを心がけています。どういう病気で、治療法にはどういったものがあるのか。患者さんによりベターな選択肢を選んでいただくためには、詳細な説明が欠かせません。もちろん、子宮外妊娠等、急を要するものの場合はその時間がとれないこともありますけども、通常はお互いが納得の上で治療を進めていくという過程が大切と考えています。
しっかりとした診断があり、正しい治療がおこなわれ、患者さんが良くなっていく。その結果、喜んでいただけるのは、これはもうずっと変わらず嬉しいことですね。
“ウロギネコロジー”の専門的診断と治療に精通
私は骨盤臓器脱、それに伴う排尿障害等の診断と治療を専門にしています。70歳を目処に、子宮を支える靭帯が緩み、子宮が下がってきてしまう現象のことを子宮脱と呼びます。これは出産時に受けたダメージも影響しているのですが、若い頃は周囲の筋肉がカバーしていたものが、お年をめしてきて全体の筋力の衰えとともに支えられなくなって起こるものです。統計的には出産を経験した70歳以上の女性の2割の方に、程度の差こそあれ症状があることが報告されています。
骨盤臓器脱の治療は、保存的なものと手術とに大別されます。保存的治療には、骨盤底筋体操というものも含まれます。この体操によって脱が治るということはありませんが、進行が食い止められ、痛みの緩和や尿失禁等の改善が見込めます。また保存的治療の代表的なものとして、「ペッサリー治療」というものがあります。こちらは膣の中にリング状の装具を入れ、子宮が下がってくるのを上に押し上げるものです。これらの治療は子宮脱の根治的治療ではなく、完治を期すならば手術療法ということになります。現在では、これが命に関わる疾患ではないことから、保存的療法で経過を見つつ、手術を望まれる方にその選択肢を提供するというケースが大半となっています。
この分野を「ウロギネコロジー」と呼びます。「ウロ」とは泌尿器のことで、「ギネ」とは婦人科のこと。その名の通り、泌尿器科と婦人科の両方の知識と経験が必要になってくる分野で、見方によっては相当マニアックな分野とも言えるでしょう。ただ、この病気は決して稀なものではありません。場所が場所だけに誰にも相談できないでいる人が多くいると思われ、潜在的なニーズは大きいと考えています。
これから受診される患者さんへ
婦人科に関して、敷居が高いとお思いの方は多いかもしれません。そのために何らかの症状を自覚されていても我慢されているというケースが多く、時にそれが重大な疾患の発見を遅らせることがあります。そのお悩みの全てが婦人科に該当するとは言い切れませんけども、必要であれば内科等にご紹介もしていますし、婦人科を窓口としてどんなことでも相談していただければと思います。
婦人科は女性に限定した科でありますけども、年齢的には思春期からご高齢の方まで、女性の一生に対応している科です。ステージ毎に異なる女性の全てのお悩みを受けとめることの出来る、女性のヘルスケアを担っていけるクリニックとして役割を果たしていきたいと考えています。
※上記記事は2019年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
多和田 哲雄 院長 MEMO
- 出身地:神奈川県
- 趣味・特技:サックス演奏
- 好きな本・作家:SF/筒井康隆
- 好きな映画:『スター・ウォーズ』
- 座右の銘:「一隅を照らす」
- 好きな音楽:ジャズ
- 好きな観光地:京都
グラフで見る『多和田 哲雄 院長』のタイプ
穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
穏やかで明るく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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