米波 浩二 院長
YONENAMI KOUJI
老健施設併設のクリニックとして
地域に根差して介護全般をサポート
大学卒業後、神経内科を専門に研鑽を積む。高齢者医療の重要性を感じて、介護老人保健施設の設立に尽力。老健施設併設の医療クリニックとして、宮前区水沢に開業。
米波 浩二 院長
水沢クリニック
川崎市宮前区/水沢/たまプラーザ駅
- ●内科
父の背中を追って医師になり、高齢者のための医療に力を注ぐ
わたしの父も医師でして、まず実家の山梨でクリニックを開業しました。その後将来的に高齢化が進むことをにらみ、介護老人保健施設を作りました。まずは幼少期から父の背中を見ていたことが要因としてありますが、自分が同じ道に進むことを意識するようになったのは、医学部を卒業して神経内科に進み、高齢者に接する機会が増えてからです。人は年齢を重ねるにつれ、肉体は衰えて病気にかかりやすくなり、不安も増してきます。診察を重ねるにつれ、お年寄りに寄り添って何かサポートをしたいと考えるようになりました。
神経内科を専攻した後は、当時母校の聖マリアンナ医科大学に新設された総合診療内科に6年間所属し医局長を務めた後、機が熟したととらえ、独立して自身で介護老人保健施設(以下老健)の設立に着手しました。
設計者とさまざまな相談を重ね、大田区、世田谷区、杉並区、狛江市、そして横浜市などの福祉課には自ら脚を運び、交渉しました。老健の施設にはさまざまな条件があり、全て満たされなくては行政の認可がおりません。実現までには8年の年月を要しましたが、地主の方のご理解とご協力を得てこちらに設立させていただきました。おかげさまで現在では、病院開業コンサルタントの方に引けを取らないほどたくさんのことを習得することができました。
さまざまなアプローチで病名の特定をめざす「総合診療内科」
新設に当たり当時わたしをお誘いしてくださった教授にお話をお聞きしたところ、これまでとは異なり総合的なアプローチで診察に当たる科目であることを知りました。いわば昔からお世話いただいている「地域医」ですが、さらに患者さんから多角的にお話をお聞きし、経過観察をしながら患者さんの病状に対応していく科目です。現在医療は細分化され、より専門的になっています。これによって医療が「縦割り」になっているため、ひとつの科で診断がつかなければ、その患者さんは別の科に移されます。そしてどこに行っても診断がつかなければ、そのまま放置されてしまうこともあるのです。
これに対し、総合診療内科は「横の連携」で診察をしていきます。たとえば頭痛の症状を訴える患者さんであれば、皮膚科なら「帯状疱疹」を、精神科なら「うつ病」を、耳鼻科であれば「副鼻腔炎」を疑って診察をします。こちらでは、すべての科に関係する可能性を考え、ひとつひとつ注意深く質問し患者さんの回答を拾います。診察やインタビューの技術も進化し、病気は患者さんのお話に現れるキーワードである程度の診断ができます。しかしながら、胸痛を訴える患者さん100人のうち、「狭心症・心筋梗塞」と診断される方は5~6人程度で、残りの方は明確な診断がつかないことがあります。この科はこの残りの95人の方について、社会的要因、環境的要因など多角的な視点で病気を診断し、その原因をつきとめ治療を目指してきます。症状を抑えたり症状を軽減し抑えたりしていくものです。
併設の老健施設と連携しながら、地域医療に貢献する
『水沢クリニック』は、わたしが開設しました老健施設「ろうけん宮前」に併設した医療クリニックです。「老健施設」とは先に申しました「介護老人保健施設」の略称で、介護が必要な高齢者の医療、介護、リハビリ、レクレーションの4要素が重要ですが、自立を支援し、家庭への復帰を促すための施設です。水沢クリニックは、老健の支援体制のひとつである「医療」の役割をつかさどっていますが、施設に入居される高齢者の方と同様に地域のみなさまの医療にも貢献させていただいています。
診療科目は「一般内科」で、先ほどお話しました「総合診療内科」のアプローチで診察を行います。「総合診療内科」はアメリカではこの体制はあたり前ですが、日本ではさまざまな要因から社会的に認知されないため、この科目での看板を出すことができないのです。概略をお話すると一般の方には多少わかりにくいところもありますが、皮膚科、精神科、耳鼻科など一通りの科目の病状に見合った投薬ができるよう、体制を整えています。
スタッフ構成は、医師がわたしを含め3名、看護士、事務担当、放射線技師が各1名、薬局が2名です。検査設備はレントゲン、超音波、CTなどを取り揃えていますが、MRIは外部の病院でお受けいただいています。また医療連携の体制も万全に整えています。わたしの出身である聖マリアンナ医科大学病院との関係ですが、「総合診療内科非常勤講師」として、現在も毎週金曜日の午前は大学病院で診察しています。この様な協力関係にある大学病院では当院で対応することができない患者さんを受け入れていただいています。
患者さんの訴えに丁寧に耳を傾け、最適な医療を提供する
まずはお話をよくお聞きするのですが、事細かに状況を拝見し、経過を重視しています。特に症状の移り変わりが肝要で、これを診断に結びつけています。特にお年寄りの場合、「痛みがなくなったら終わり」ではなく経過重視のプロセスが重要と考えています。
しかしながら若くご多忙に過ごされている皆様は、なかなか通院される時間的余裕もありません。そのような場合は、不快感がなければ脚をお運びいただくのも大変です。再び症状が現れたとき、いらしてくださればどのようなご対応もさせていただきます。また、薬も継続的に大量にお出しするのではなく、必要量にとどめ、ごく当たり前のことですが、「よく寝る」「体を休める」などのほかに、患者さんが快適にご自身の最良のお力を発揮できるようなコンディション作りをアドバイスさせていただいています。
これから受診される患者さんへ
老健施設を自分で設立した経験から、医療以外にもさまざまな勉強をしてまいりました。介護保険のしくみなどは大変複雑で、必要になったときに取り掛かろうとしても何かと不安を感じられる方が多いようにお見受けします。体や健康に関係することのほかにも、介護や日常の生活でのご心配事など是非相談していただきたいと思います。居宅介護支援事業所も併設しておりますので、そちらではケアマネージャーが皆様のご相談に当たっています。普通のクリニックとは異なり、介護全般をサポートいたします。
※上記記事は2013.12に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
米波 浩二 院長 MEMO
- 出身地:山梨県
- 趣味・特技: ガーデニング 草花が好きで、屋上にある庭園はわたしが造りました 草花の配置やレイアウトが楽しかったです
- 好きな本:推理小説 東野圭吾 博士号取得後やっと小説を読む余裕ができました
- 好きな映画:トランスフォーマー
- 好きな言葉・座右の銘:さまざまな方にお声かけをするようにしています なによりもコミュニケーションを大切にしています
- 好きな音楽:花の多いところ、ハワイやバリ島など、これまで旅行で出かけたところ
グラフで見る『米波 浩二 院長』のタイプ
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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