飯田 茂 院長
SHIGERU IIDA
「生活状況の把握なくして成り立たない」をモットーに精神科の在宅医療を実践
浜松医科大学医学部卒業。1986年、東京大学精神神経科に入局。埼玉医科大学、埼玉県立精神保健総合センターなどでの勤務を経て、2002年に『登戸診療所』を継承開業(JR南武線・小田急小田原線「登戸駅」より徒歩3分)。
飯田 茂 院長
登戸診療所
川崎市多摩区/登戸/登戸駅
- ●内科
- ●精神科
- ●心療内科
- ●訪問診療
精神科をベースとした在宅医療への取り組み
『登戸診療所』は、は2002年に開院して以来、精神科医療を基盤とした在宅医療をおこなっています。
私の医療活動は研修医として外来患者さんの予診をとり、先輩の先生方の指導をうけることから始まりました。外来診察室で患者さんの話をうかがいながら、状況を詳しく知り、できるだけ深く理解しようと取り組もうとしました。その後病棟での勤務もしましたが、診察室で患者さんから私がわかることは一部であり、実際の患者さんの生活を知り、どのようなことを困っているのかを把握しなければ、医療的な援助は効果が上がらないのではないかと感じました。
1988年~90年に、秋元波留夫先生からアメリカの医療の実情をみる研修の機会をいただきました。精神科医療の中で入院治療をどのように減らしていくかを、カリフォルニア、ニューヨーク、シカゴなどで州立病院、専門治療施設、中間施設や作業所、ホームステイなど、現場にいき雰囲気に触れ、話を聞きました。この時の経験から、長期の入院医療から精神医療が変っていく中で私がどのように活動したらいいか考えるようになりました。
1995年、阪神淡路大震災の際には公立病院の医師として神戸市灘区で医療援助のために働きました。米軍のテントに泊まり交通機関の回復していない街で、自転車で患者さんの自宅や施設をまわりました。被災地ですから生活状況を把握して医療や支援を考えることは当然です。この時に外来に来られない患者さんがたくさんおり、医療を求めている、そのことに応じなくてはいけないと強く感じました。振り返れば、これらの体験が、精神科医療を在宅でおこなう、今のスタイルに結びついて行ったのでしょう。
社会資源を誰もが利用できるように
対象となる患者さんは精神疾患をお持ちで通院が困難であること、加えてご本人及びご家族が困っておられるということが条件となります。
もっとも極端な例を申し上げますと、恐怖症の一種で、家から一歩も外に出られないという方がいらっしゃいます。その方は強迫行為でトイレに1日6時間もこもっているんですが、そうなりますと外出は到底難しいということになりますよね。また、過去に入院してお薬を処方されていた方であっても、何年も顔を出せないということになりますと、お薬の処方もままならないということなってきます。
私自身も、父が認知症になり、医療機関を受診できないということを経験しました。こころの病気を患っておられる方は、病院という社会資源の利用もできない方がいるというのが現実です。援助を受けることで生活で困っていることが解決できる、気持ちが楽になる方がおられるにもかかわらず、それができない。これは社会的にも大きな損失であり、そうした方々の支えになることができればと思っています。
「生活状況の把握なくして成り立たない」をモットーに
まず、私達はお客さんとしてお家に招かれるわけですから、失礼のないよう振る舞うということが原則です。病院や診療所は、いってみればホームなわけです。そこで患者さんを待ち受けるのは、様々な意味で医療者側にとってやりやすいことは確かでしょう。そこを飛び出していくわけですから、こちらがまず配慮をして、なおかつ、診療所として目に見える結果を出すことが求められるということになります。
なおかつ、メリットして、お家での様子を見れる、ということが大きいですね。診療所にはきれいな格好をされて来られていても、家ではどうされているかは想像するしかない。その辺りを見れるというのは診療において重要ですし、生活状況の把握なくして精神疾患の診療は成り立たないと申しても過言ではないと思っています。
登戸診療所のスタッフは、その誰もが、患者さんが良くなる希望を持ち、皆様のおうちにお伺いするということを続けていきたいと考えています。
気軽に相談できる場所としての医療相談室
病気か否かの判断は医師がおこないますが、それ以前に、医療の必要性等を判断する一助として、精神科のソーシャルワーカーが相談にのっています。
私どもは2002年から地域を回っていますので、医療的資源のネットワーク、たとえば入院が必要ならどこがいいか。外来の精神科のクリニックの先生もどのような患者さんが得意かなど、そういった情報をもっています。なおかつ行政とも絶えず連絡を取っているものですから、患者さんに有用な情報を提供できるわけです。
地域をよく知っているからこそ、その人の生活にもっとも適した医療資源を紹介できるということになるでしょう。これは地に足をつけてやってこれた成果であり、その取り組みを今後も変わることなく続けてまいりたいと思っています。ご心配なことがありましたら、まずはお電話でお気軽にご相談ください。
これから受診される患者さんへ
「家まで来てくれると助かる」という患者さんやご家族が次第に増え、現在の診療スタイルを確立させてきました。加えて、外来の充実や遠方への往診といった数多くのご相談も承り、法人としてより広範囲をカバーできる体制を整えてきました。開院以来、歩みはゆっくりではありますけども、患者さんの声に応え、正しい方向性の元にこれまでやってこれたと思っています。精神科の訪問診療という1本の柱を決して揺らがすことなく、今以上に皆様のお役に立てる診療所を目指していきたいと思っています。
※上記記事は2018年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
飯田 茂 院長 MEMO
- 出身地:1960年 東京生まれ
- 趣味:最近は犬との散歩。以前はよく山に登りました。
- 好きな本:『青い鳥のゆめ―ベトナムから来た子供たち』静岡新聞社/編集に携わった友人が最近亡くなりました。ベトナム難民援護施設の記録です。
- 好きな映画:『デルス・ウザーラ』黒澤明監督のシベリア探検の映画です。
- 信条:「よくなることへの希望を持ち、継続すること」
- 好きな音楽:夜寝る前に聴きます。ジャンルはこだわりません。再生回数の最多は、バッハのシャコンヌ、アーロンロサンド演奏でした。
- 好きな場所(これまで行ったことがある):山では日高の幌尻岳、南アルプスの光岳。海外の町ではサンクトペテルブルグが好きです。
グラフで見る『飯田 茂 院長』のタイプ
穏やかでやさしく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
穏やかでやさしく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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