長濱 康弘 院長
YASUHIRO NAGAHAMA
川崎市で最初の認知症専門病院として。皆さんのお力になれる、地域密着の病院を目指して
京都大学医学部卒業。2000年から滋賀県立成人病センター老年内科で認知症診療に従事。2015年より『かわさき記念病院』診療部長、2016年より副院長。2025年4月、『かわさき記念病院』院長に就任。医学博士。日本神経学会 専門医・指導医、日本認知症学会 専門医・指導医、日本内科学会 総合内科専門医、日本脳卒中学会 専門医。

長濱 康弘 院長
かわさき記念病院
川崎市宮前区/潮見台/あざみ野駅
- ●精神科
- ●脳神経内科
航空工学から医療の道へ──そして認知症医療の最前線へ

医学部を志した動機としては、少々イレギュラーかもしれません。私はもともと飛行機を作りたくて、中学生の頃からずっと航空工学の世界に進むことを夢見ていました。大学受験の直前まで京都大学の航空工学科を目指していたのですが、当時「就職が難しい」と言われ、進路変更を考えることになったのです。そこで思い浮かんだのが医学部でした。というのも、子どもの頃に腸閉塞で生死をさまよったことがあり、そのときに「お医者さんに助けてもらった」という経験が家族の中で語り継がれていたのです。そうしたこともあって医療への関心も少なからずありましたし、ならば命に向き合う仕事をと、医学部への進学を決めました。
医師となってからは神経内科に入局し、滋賀県立成人病センターの老年内科で認知症診療に従事してきました。やがて、その病院ががん治療主体へと方針転換する中で、「認知症診療を専門的に続けていくには、違う場が必要かもしれない」と感じ始めたのです。そんな矢先でした、かねてから学会などで面識のあった福井俊哉先生から「川崎で認知症専門病院を立ち上げることになった」と話をいただいたのは。見学に伺い、病院の理念や方針に強く共感し、「もう一度ひと踏ん張りしてみよう」と、川崎へ移る決心をしました。それから気づけば10年が経ち、院長という立場を拝命することになったのです。
認知症に特化し、包括的に支える医療体制を

「認知症を専門的に、かつ一貫して診られる病院」は、実は非常に少ないのが現状です。精神科や脳神経内科の一部で診られていても、必ずしも精密な鑑別診断や治療方針の策定が行われているとは限りません。また、外来だけ、入院だけといったように機能が分断されている医療機関が多く、患者さんが必要な支援をシームレスに受けられないこともあります。
『かわさき記念病院』は、認知症の初期診断から外来診療、必要に応じた入院、さらには進行期や看取りの段階まで、全てを包括的に担える体制を整えています。たとえば「物忘れが気になる」といった段階から外来で丁寧に鑑別を行い、診断がつけば、その方に応じた治療計画やケア方針を立てます。紹介状がなくても初診はお受けしており、紹介元もクリニック、ケアマネジャー、包括支援センター、ご家族など様々です。地域の中で開かれた病院であることも、当院の大切な役割の一つと考えています。
おだやかに、その人らしい人生を送れるよう支えていく

認知症が進行する中で、幻覚や妄想、攻撃性、徘徊、不眠など、いわゆるBPSD(行動・心理症状)が現れることがあります。これらが原因で在宅介護や施設での生活が難しくなる方も少なくありません。
こうした症状に対しては、入院治療も含めて積極的に治療介入を行います。認知症自体は現代の医学では治癒しませんが、BPSDについては、薬の調整や環境の見直しによって、かなりの方は症状の改善が見込めます。幻覚や妄想、不眠、易怒性、うつ症状、食欲不振といった症状には治療の余地が大いにあるのです。一方で、徘徊のように根本的な改善が難しいものについては、安全確保やケア方法を工夫することで対応していきます。
最期の時をどこで、どのように迎えるかは、その方とご家族の希望や状況によって異なります。在宅での看取り、施設での看取り、病院での看取り──いずれの選択肢にも対応できるよう、当院では地域連携体制を整えています。
私たちの目標は、認知症が進行していく中でも、できるだけ穏やかに、安心して生活していけるようにすること。そのお手伝いをすることが、私たちの務めだと考えています。
地域とともに、認知症の正しい理解を広めていく
認知症医療に取り組む中で感じるのは、まだまだ社会全体の理解が十分ではないということです。誤解や偏見によって、本人やご家族が孤立してしまうケースもあります。だからこそ、地域への啓蒙活動も大切にしています。
これまで、地域で開催される講演会や家族会、介護者向けのセミナーなどに積極的に関わってきました。特に、認知症のご家族を支える方々に向けた情報提供や相談支援には力を入れています。また、認知症サポーター養成講座に当院の職員が講師として参加するなど、職域を越えて地域とつながる取り組みも継続してきました。
コロナ禍でこうした活動が一時中断した時期もありましたが、現在はコロナ前より多くの講演や地域活動を行っております。今後はまた、地域の皆さんと共に学び、支え合える場を広げていきたいと思っています。
これから受診される患者さんへ
認知症は、誰にとっても無関係ではない身近な病気です。ご本人、ご家族、介護者、それぞれが不安や戸惑いを抱えておられることと思います。そんな中で、「ここに来てよかった」「話を聞いてもらえて安心した」と思っていただけるような場所でありたい。それが、私たち『かわさき記念病院』の願いです。
今後も、医療とケアを両輪とした認知症支援を地域の中で続けていきたいと思っています。どんな段階でも、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。私たちは、いつでも皆さんの力になります。
※上記記事は2025年6月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
長濱 康弘 院長 MEMO
総合内科専門医 /神経内科専門医
- 出身地:兵庫県
- 出身大学:京都大学医学部
- 好きな映画:アクション「ミッション:インポッシブル シリーズ」
- 好きな場所:琵琶湖
- 好きな言葉:「ありがとう」
長濱 康弘 院長から聞いた
『レビー小体型認知症』
症状を抑え、安定した状態を長く持たせることが可能な認知症
症状としては、認知症の症状もありますし、幻覚や人物誤認に加え、うつ症状やパーキンソン症状、あるいは起立性低血圧などの自律神経症状といったものが見られます。どの症状が強く出るかは個人差がありますので、総合的な症状の評価を行い、それに基づいた治療方針を立てていくことで、調子良く過ごせる期間を長くすることが可能になるのです。
認知症そのものは、完治することが難しい疾患であることは他のタイプと同様、変わりありません。しかし、繰り返しとなりますが、レビー小体型認知症は進行を抑えたり、治療の余地がある疾患ですので、症状からそれを疑われる場合、ぜひ専門医を受診していただければと思います。
グラフで見る『長濱 康弘 院長』のタイプ
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どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
CLINIC INFORMATION

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