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渡邉 功 院長

ISAO WATANABE

困ったときにすぐにかかれる、地域に根差したクリニックを目指しています。患者様の心の不調に寄り添っていきます。

福島県立医科大学を卒業後、研修を経て北里大学東病院の精神科へ。精神科の診療に従事する傍ら産業医の資格を取得し、2019年に『iこころクリニック日本橋』、2023年1月に『メンタルクリニック虎ノ門駅前』、7月に『いずみ医院』を開業。

渡邉 功 院長

渡邉 功 院長

いずみ医院

川崎市高津区/下作延/溝の口駅

  • ●心療内科
  • ●精神科

一冊の本との出会いから精神科医を志すように

渡邉 功 院長

高校に入り大学受験に向けて勉強を始めた頃、より効率的に知識を身に付けられる記憶法はないものかと、いろいろな本を読んでみたんですね。そのときに限りない可能性を秘めた「人間の脳」に興味を抱き、将来は脳科学者になりたいと考えるようになりました。一方で、脳と同じように限りない空間が広がっている「宇宙」にも興味があったのですが、最終的に医師になることを選んだのは看護師をしていた母の存在が大きかったでしょうか。医師になれば脳の研究の一端を担えるかもしれない……そんなふうに考えて医学部進学へと舵を切りました。
とはいえ実際に大学に入ってみると周りはみんな優秀で、だんだんと劣等感を抱くようになって……。「自分は何のために存在しているのか」と自問する日々のなか、一冊の本に出会ったことが今につながる転機になりました。その本には第二次世界大戦中にユダヤ人が囚われたアウシュビッツ強制収容所について書かれていて、深い絶望の中にいる人たちに比べれば「自分の悩みなどたいしたことはない」と思えたのです。しかし何より印象的だったのは著者のヴィクトール・フランクルによる心理描写で、あの光景は精神科医である彼にしか描けないものだと感じました。私が精神科医を目指したのも、彼の頭脳に近づきたいという気持ちがあったのだと思います。

元々通われていた患者様にも安心して

渡邉 功 院長

大学卒業後は研修を経て、北里大学東病院(現:北里大学病院)の精神科に籍を置きました。その後も神奈川県にある病院やクリニックで診療にあたり、この間には企業で働く人々のメンタルヘルスをサポートする産業医の資格も取得しています。そうした中、自分が理想とする診療スタイルが明確になってきたことで開業を考えるようになり、2019年に『iこころクリニック日本橋』を開設。続いて2023年にこちらの『メンタルクリニック虎ノ門駅前』を開設。そして、今回、念願でもあった神奈川県での開業ということで、いずみ医院をスタートしました。

精神科医療は医師だけで行えるものではなく、カウンセリングなどを担当する公認心理師、社会的支援を担うソーシャルワーカーのほか、地域の保健所や訪問ステーションなどが連携し、チームとして患者さんをポートします。またお仕事をお持ちの方では、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)なども必要になってきます。こうした多職種の連携が重要になるなかで、虎ノ門をはじめ、本院の『iこころクリニック日本橋』と、医療法人五条会グループが展開する施設と連携することで、「ここに相談すれば道が開ける」といった安心感をもっていただける診療を展開していきたいと思っています。

困ったときにすぐかかれるクリニックでありたいと思っています

渡邉 功 院長

いずみ医院は、現在も当院の医師である藤代典子先生が15年診療してきた歴史があり、私たちが引き継ぐといった形で、2023年7月に新たなスタートを切りました。藤代先生を含む4人の医師がしっかりと支えていきますので、これまで通っていた患者様も安心して診療を続けていただきたいと思います。これまで午前中だけだった診療時間も18時までとなり、しかもカルテを電子化し、WEB予約も導入したことにより、更に快適に、通院しやすい環境を整えました。
田園都市線は、私も個人的に縁のあるエリアです。都心のクリニックと違い、近隣に住んでいらっしゃる患者さんに多く来ていただいています。ご高齢の方も多いエリアですので、認知症などにも対応していけるようにしていく予定です。もちろん、お仕事をお持ちの方々にも無理なく足を運んでいただけるよう、駅から徒歩2分というアクセスのよい場所で当日のご予約も受け付けています。
また症状が重く、自宅から外出することが難しい患者さんについては、訪問診療、訪問看護にも力を入れていきたいと思っていますので、頼っていただきたいですね。困ったときに、すぐにかかれるクリニック、それが一番の目的でもあります。

常に患者さんの立場で考え、チームとして支えていく

みなさんは熱が出たり皮膚トラブルがあったりすると医療機関を受診なさると思いますが、何となく気分が落ち込むといった程度のこころの不調は我慢して過ごしてしまう方も少なくないでしょう。かぜや腹痛などの治療と異なり、精神科における診療は一般の方には少々イメージしにくいものかもしれません。うつの症状が現れているのに「自分が悪い」と自らを責め、「頑張らなければ」と言ってさらに症状を悪化させてしまうケースもあるようです。でも、こころの不調を放っておくと症状が進んで益々つらくなるだけです。まずは医療の力を頼り、つらい症状を和らげていきましょう。こころの問題を解決に導くためには医師のほかに、カウンセリングや心理検査なども必要ですが、当院では、虎ノ門と連携してオンラインで受けていただくことができます。こころの不調を感じて「自分はもうだめだ」と暗闇の中で苦しんでいる方も、何をすべきか明確になれば希望が見え、ほんの少しでも安心しいただけるのではないでしょうか。私たちは患者さんが知りたいと思う情報を正しく提供し、チームとして患者さんを支えるという姿勢をお示ししたうえで、その方にとってもっともよい解決策をご一緒に探したいと思っています。
クリニックへ一人で行く決心がつかなければ、どなたかに付き添いをお願いしてもよいでしょう。まずは一度、クリニックの門を叩いてください。

これから受診される患者さんへ

『いずみ医院』は溝の口駅から徒歩2分の場所にあります。テクノロジーの力を借りて、詳細な情報を把握しながら、医師をはじめとしたスタッフは患者さんのお気持ちに寄り添う姿勢を忘れずに、お一人お一人をしっかり支えていきたいと考えています。
4人体制の医師、そしてカウンセリングや心理検査は、虎ノ門との連携で知オンラインで受けていただくことが可能です。WEB予約も導入し、元々、いずみ医院に通っていた患者様にも、より快適に診療を受けていただけるようになりました。また、これから来院する方にも、医療法人五条会グループ全体で支えていけるよう体制を整え、こころの不調に幅広く対応していきます。何よりもスタッフ一人ひとりが治療者である自覚を持ち、患者さんのお気持ちに寄り添いながら診療しておりますので、こころの不調がみられたときは我慢せずにご相談ください。

※上記記事は2023年7月に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

渡邉 功 院長 から聞いた
『双極性障害[躁うつ病]』

本人だけでなく、周囲への疾患教育が大切

双極性障害は、遺伝的な問題と、ストレスのような環境的なものが主な原因で起こる疾患です。10代から発症する方もいます。ムード・スウィングといって、鬱状態と躁状態、気分の変動を繰り返すのがこの病気の特徴です。躁状態になると、なんでもできそうな誇大的な気分になったり、仕事や勉強をやり続けてしまうワーカホリックな状態になります。それが数週間、長いと1か月続くこともあります。そのあと鬱がくるのですが、いちばん怖いのは自殺です。躁状態からの落差が激しく、通常の鬱よりも負荷がかかる分、自殺のリスクが非常に高まります。
躁状態のときに薬物療法を速やかに受けることが大切なのですが、受診される方は、不安や鬱、恐怖を感じるといった鬱状態のときに来院される方がほとんどです。躁状態のときは、本人は気持ち良い状態なわけですから、病院に行こうとは思わないんですね。
躁鬱の鬱と、鬱病の鬱は症状も違います。躁鬱の鬱の場合、過眠になったりすることがしばしば見受けられます。薬物療法の他には、休職して環境を変えたり調整したり、ご家族を含めた周りの方々への疾患教育も大事です。周りが振り回されてしまう病気でもあるので、本人だけではなく、ご家族、ご友人たちにもどういった病気なのか、症状、特徴などを知っていただき、みんなで治療していく病気です。もちろん、ご本人にも、客観的に病状を把握できるように、躁状態、鬱状態がどういうものなのかしっかり説明して、理解してもらう必要があります。

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