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五十嵐 眞一 院長

SHINICHI IGARASHI

犬・猫・エキゾチックに幅広く対応。動物保護センターを併設し、人間と動物が安心して暮らせる社会を目指す

麻布大学獣医学部を卒業後、大手製薬会社にて新薬の開発研究に従事。研究員から臨床医に転身し、2005年に『三ツ池動物病院』を開設。その後、2016年に『新横浜動物医療センター』、2022年に『三崎動物愛護病院』を開設し、現在に至る。獣医学博士。

五十嵐 眞一 院長

五十嵐 眞一 院長

三崎動物愛護病院

三浦市/三崎/三崎口駅

  • ●犬
  • ●猫
  • ●ウサギ
  • ●ハムスター
  • ●フェレット
  • ●鳥

動物保護センターを併設し、医療・ケア・保護をトータルに展開

五十嵐 眞一 院長

私は獣医学部を卒業してすぐに臨床獣医師になったわけではなくて、大手製薬会社に勤務していた時期がありました。研究員として新薬の開発に携わる中では動物たちを犠牲にすることもあり、「動物を犠牲にする仕事」から「動物を助けるための仕事」をしたいという気持ちで研究員から臨床獣医師に転身しました。2005年に最初の病院(三ツ池動物病院)を鶴見区に開き、2016年に港北区に分院(新横浜動物医療センター)を開院。2022年に開設した『三崎動物愛護病院』はグループ内で3つめの動物病院ということになります。
病院名に“愛護”という言葉があるように、当院には一般社団法人三崎動物保護センターが併設されています。動物病院としての機能に加えてトリミングやペットホテルなどにも対応し、この建物全体で医療・ケア・保護など動物たちの命と暮らしを守る取り組みをトータルに展開しています。

人間と動物が安心して幸せに暮らせるような環境づくりを

五十嵐 眞一 院長

動物は人間の暮らしに欠かすことのできないパートナーであり、特に高齢で一人暮らしの飼い主さんにとっては「生きがい」のような存在です。動物たちに触れていると幸せホルモン(オキシトシン、セロトニン)が分泌されることが知られているように、動物たちと過ごす時間は私たちの人生をより豊かにしてくれます。しかしながら日本は急速に高齢化が進んでおり、ある日突然飼い主さんが亡くなり、残された動物たちが行き場を失うことも少なくありません。また高齢の飼い主さんがご病気になり、動物たちを手放さなければならないケースも増えています。
私たちが展開する動物保護活動は「捨て犬」「捨て猫」を保護するだけでなく、飼い主さんと動物たちの暮らしをサポートするための活動でもあります。たとえ動物と一緒に暮らすことが難しくなったとしても、当院や保護センターが面倒をみてくれる。だから「安心して動物と暮らしていける」と感じていただけるように、人間と動物が共に幸せに過ごせる環境づくりを進めていきたいと思っています。

動物保護活動は「人間の幸せ」を追求する活動

五十嵐 眞一 院長

当院のある三崎市は風光明媚な観光スポットである一方、海沿いの人目につかないエリアでは捨て猫が置き去りにされるケースも見受けられます。私は獣医療に携わる者として、野良猫の避妊・去勢手術などにも積極的に取り組み、人間と動物が共生できるSDGsな社会の実現を目指しています。動物たちがいてくれるから私たち人間も幸せでいられるのであり、動物の保護活動はいわば「人間の幸せを追求する活動」と言えるでしょう。
三ツ池動物病院を開設して以来、高齢の飼い主さんからペットを引き受けたケースは10件以上になります。ネコちゃんはいわゆる地域猫やけがをした猫を保護することが多いものの、ワンちゃんは関東圏のほか高知や長崎からやって来ることもあります。また近隣のホームセンターにご協力いただいて月に一度「譲渡会」を開催しており、年間数十頭のワンちゃんやネコちゃんが里親さんと新しい生活を始めています。

充実の設備をいかして、犬・猫・エキゾチックに幅広く対応

当院は鶴見区、港北区に続くグループ3つめの動物病院となり、犬、猫、うさぎ、ハムスター、フェレット、鳥などを幅広く診療しています。院内の待合室や診察室を犬と猫とで分けていること、トリミングやペットホテルに対応していることなどはほかのグループ院と共通していますが、中にはこの地域ならではのアクシデントで運ばれて来る動物たちもいます。
代表的なものが「釣り針」に関わる症例です。海が近いこともあって、ネコちゃんが釣り針を飲み込んでしまったり、手足に釣り針が刺さってしまったりして運ばれて来ることが少なくないのです。釣り針を飲み込んでしまった場合、以前であればお腹を切って開いて異物を除去する手術が必要でしたが、最近は内視鏡を使ってお腹を切らずに治療できるケースが増えました。当院でも内視鏡、エコー(超音波)、レントゲンなどの機器を用いて、動物たちに負担のない検査や治療を行っています。またトリミングやペットホテルに加えて、TVチャンピオン「ダメ犬しつけ王選手権」での優勝経験を持つドッグトレーナーの白川真二先生による「犬のしつけ教室」なども開催し、動物たちと飼い主さんの暮らしをしっかりと支えていきたいと思います。

これから受診される飼い主さんへ

当院の最寄り駅は京浜急行久里浜線の「三崎口駅」になり、京急バス「三崎港停留所」から歩いて3分ほどの場所にあります。
私は当院で診療するほかに『ペット未病研究会』という組織の理事も務めており、いかにして動物たちの病気を未然に防ぐかという部分に力を入れています。この研究会では年に2回「未病の科学」という研究雑誌を発行しており、私も毎回、最新の医療情報を投稿しています。また、DFAT(Dedifferentiated fat cell)という成熟脂肪細胞を「天井培養法」で培養して作られる間葉系幹細胞に類似した多能性細胞を用いて、関節炎や慢性大腸炎などの治療を行っています。さらに、今まで不治の病と言われた猫の伝染性腹膜炎の治療や被毛でホルモンを測る新しい検査の開発などにも取り組んでいます。現在、私が三崎の施設を拠点にライフワークとも言える動物保護活動に没頭できるのは、若い獣医師たちがしっかり育ってくれているおかげです。グループ内3つの動物病院が連携し、それぞれに切磋琢磨することによって、より質の高い獣医療をご提供できるかと思います。大切な家族の一員に何か気になる症状がみられましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

※上記記事は2024年2月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

五十嵐 眞一 院長 MEMO

  • 出身地:神奈川県
  • 趣味&特技:読書、ゴルフ、占い(算命学)
  • 好きな本:動物関係の本、ジャンル問わず
  • 好きな音楽:クラシック、主にベートーヴェン。(カラオケも好きでビリー・ジョエルや桑田佳祐など洋楽・邦楽も。)
  • 好きな場所:診察室、地元である県立三ツ池公園
  • 好きな言葉:最善を尽くす

五十嵐 眞一 院長から聞いた
『犬の僧帽弁閉鎖不全症』

僧帽弁閉鎖不全症は「聴診」で診断可能。定期的な受診と適切な治療介入を

心臓には4つの「弁」があり、血液が逆流するのを防いでいます。4つある弁のうち、左心室と左心房を隔てる弁を僧帽弁(そうぼうべん)と言い、僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁が十分に機能しない状態を指します。何らかの原因によって僧帽弁がしっかり閉じないと、正常な循環が妨げられることになります。本来は全身に送られるはずの血液が肺に逆流してしまうと肺高血圧症や肺水腫を引き起こし、中には死に至るケースもあります。

僧帽弁閉鎖不全症は、初期には症状がないことが多いものの、進行すると咳き込むようになり、やがて一日中咳が続くようになります。治療はお薬で症状をコントロールする方法もありますが、根治を望むのであれば機能不全となった弁を人工弁に置き換える手術が必要です。

僧帽弁閉鎖不全症であるかどうかは「聴診」で判断できることがほとんどですから、愛犬に気になる様子がみられたら早めの受診をおすすめします。特にキャバリアなどは僧帽弁閉鎖不全症にかかりやすい犬種とされていますので、8歳を目安に定期的なチェックを心がけていただくとよいでしょう。

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