中山 孝大 院長
TAKAHIRO NAKAYAMA
飼い主さんとのコミュニケーションを大切に。あなたと動物にとっての良きアドバイザーに
麻布大学獣医学部卒業。牧場勤務を経て、横浜・都内の病院に勤務。2009年に『かもめ動物病院』を開院(横浜市営地下鉄「伊勢佐木長者町駅」4B出口から徒歩2分、JR京浜東北線・根岸線「関内駅」南口から徒歩10分)。
中山 孝大 院長
かもめ動物病院
横浜市中区/富士見町/伊勢佐木長者町駅
- ●犬
- ●猫
畑違いの牧場勤務を通じて得たもの
『野生の王国』という、子供の頃に夢中になったテレビ番組がありました。ゴリラの研究者やハイエナを研究している学者さんに焦点が当てられていて、私はそれを見て動物に興味を持つようになったのです。今思えば、私は“彼ら”になりたかったのでしょうね。しかし、どこにいるかもわからないし、ましてなり方なんてわかりようがありません。気がつけば、動物に携わる一番身近な仕事として獣医師を目指すようになっていたのです。ある意味、勘違いから始まったと言えるでしょうか(笑)。
大学を卒業した私は、牧場で乳牛のお世話をすることになりました。獣医師が関わる仕事として、畜産業というのは最もビジネスに特化したジャンルでしょう。牛の生態を知り、それを生かすことで収益に変える。学者を思い描いてた私にとって、その反動かもしれませんが、理論をビジネスに変えるその仕組みが興味深かったのです。ところがです。大学を卒業したての人間が牧場に勤めると、これが見事なほどに何もできない。当時は自分の無力さを感じ、結構落ち込んだものです(苦笑)。ですが、この時の経験も今の糧になっているように思います。
牧場では獣医師の仕事というより、朝の乳搾りから始まり、牧場の仕事をあらかたこなすことから始まりました。牛の世話も満足にできない、牛のことをよく知らない人間の言うことを彼らは受け入れてくれません。納得してくれるようになるには、そこはもう実績を積まないとダメなんですね。これは、今の仕事にも通じることです。どんなに素晴らしい治療ができたとしても、飼い主さんからの信用がなければ事は前に進まないのです。アプローチはずいぶん違うんですけれど(苦笑)、そこは牧場の生活から学び取ったものでした。
誰もが気軽に立ち寄ってもらえる病院を目指して
『かもめ動物病院』は2009年に開院いたしました。この辺りは都市部ではあるのですけれど、マンションが多く、たくさんの人が住み、その中には動物を飼われている人も大勢いらっしゃいます。そうした条件があったにせよ、私がここを気に入ったのは、“都会”だからでした。私は同級生の中では開業が遅い方だったのですが、相談をしていく中で友人の1人から「自分が住みたい街で開業したほうがいい」とアドバイスを受けました。それで自分が落ち着けるこの街を選んだということなんですね。
病院はカフェをイメージし、自分なりのセンスでデザインを手がけました。当初は、「ここ、なんのお店?」と入ってこられる方も多かったですね。清潔感は大事ですけれど、かといってお高くとまって立ち寄りにくいような場所にはしたくなかったのです。いつでも気軽に入ってこられて、なんでも相談してもらえるような病院にしていきたいと思っています。
飼い主さんとのコミュニケーションが何よりも大切
大切なのは、やはりコミュニケーションだと思っています。獣医師といっても、なんの情報もなく、動物をポンと出されて病気がわかるなんてことはありません。動物は話せませんし、自覚症状を自分が訴えるようなこともなく、一見しただけでは痛い箇所がわからないこともあります。それを推測するには、飼い主さんのお話から紐解いていく必要があるんですね。私たちが知りたいのは、普段の様子です。動物は病院に来ると緊張してしまうものですから、普段おうちでリラックスしている時の状態を知ることが最も大切なのです。
動物だけを診ていても解決には至りません。動物がいて、飼い主さんがいて、そして我々がいる。三者のコミュニケーションを円滑にすることが病気の改善に最も大切なことだと思っています。
検査に頼り過ぎるのではなく、生き物としての雰囲気を感じることも大切
専門性を打ち出すことも1つのやり方ではあると思うのですが、私が考える方向性はそちらではなく、ジェネラルに診ていくことにあります。我々に求められるのは、適切なタイミングで適切な医療を提供することだと思うのです。仮に自分にそれがおこなえなくても、判断する知識があり、それを受けるにはどの医療機関が適切なのか、飼い主さんに選択肢を提供し、適切な医療をご案内する役目を担っていると考えています。
その判断において大事なのが、逆説的ですが検査に頼りすぎないということかもしれません。より高度な検査が必要と思われるケースでも、飼い主さんがそれを望まれないことも考えられます。その際、よくわからないまま治療が進んでしまうようなことは避けなければなりません。その時に助けとなるのが、動物が出しているサインを感じ取ることなんですね。例えば、下痢をしている子がいたとして、その下痢の状況と、その子の全体の雰囲気にギャップを感じることがあります。表面的な現象が現実とそぐわないと感じられれば、さらなる検査をお勧めする理由になるのです。
牧場を辞め、最初に就職した病院の先生は「検査は確認のためにするもの」とよく仰っていました。検査機器が発達したことでわかることが増えたのは確かですが、そこだけにとらわれていると、見えるものが見えなくなるということもまたあると思うのです。アナログのようですが、1つの症状のみに執着するのではなく、全体を見て、動物が出している雰囲気を感じとることも大切だと私は考えています。
これから受診される飼い主さんへ
動物の命は儚いものです。残念ながら、最愛の子との別れはいずれ訪れることで、「もうこんな悲しい思いはしたくない」となってしまうのもよくわかります。でも、そこを越えて、また新たに家族を迎え入れたと聞いた時は、やはり嬉しくなりますね。
私たちは、動物との楽しい暮らしをできる限りサポートさせていただきます。それなりに動物のことを知っているものとして、みなさんの良きアドバイザーたり得るよう頑張っていきたいですね。
※上記記事は2019年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
中山 孝大 院長 MEMO
- 出身地:神奈川県
- 趣味:「子供と遊ぶこと」
- 好きな本:歴史物(幕末もの)
- 好きな映画:『ジュラシック・パーク』
- 好きな言葉・座右の銘:?
- 好きな場所:横浜
グラフで見る『中山 孝大 院長』のタイプ
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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