竹尾 浩紀 院長
HIROKI TAKEO
地域の皆様に寄り添い、ご自宅で療養しながらも病院にいるような安心感を提供
防衛医科大学校卒業。医学博士。2022年年9月1日に訪問診療専門のクリニックとして『おうちのドクター川崎』を開院(東急田園都市線「梶が谷駅」より徒歩10分)。
竹尾 浩紀 院長
おうちのドクター川崎
川崎市高津区/下作延/梶が谷駅
- ●訪問診療
- ●内科
- ●糖尿病内科
目の前の人に出来るだけのことをして差し上げたい
親が医者でした。当時の風潮として、医者が自分の子を医者にできないのはダメなことだったんです。ですから、その時の私の目標は、医学部に“合格すること”でした。ですから、医学部に合格したら、好きなことをやろうと考えていたわけです。その目論見は親に見つかってしまい、結果、医者になったわけですけども、今振り返ればこの仕事に就けたことを感謝しています。
私の人間性を知る同級生は、大学やその先で私が上手くやれるとは思っていなかったようですが、幸いなことに、行く先々で人に恵まれ、外務省や厚労省で仕事をする機会にも恵まれました。普通のお医者さんでは見ることができないことを経験できたことは、今の私の1つの糧になっているように思います。厚労省の仕事は、素晴らしいものです。予算をつけることによって、何万人もの人の命が助かるわけですから。しかし、予算をつけるということは、そこから外れる人も出てくるということでもあります。それは仕方のないことかもしれません、予算は無限ではありませんからね。でも、医師として臨床に携わってきた人間にとって、それは容易に受け入れられることはありませんでした。結果、叶わずとも、少なくともベストは尽くすべきで、目の前の人に出来るだけのことをして差し上げたい、というのが私の本心でした。クリニックを立ち上げたのは、その本心に従った結果だったのです。
在宅診療専門クリニックを立ち上げた理由
2022年9月に在宅診療専門クリニックとして『おうちのドクター川崎』を立ち上げました。私が在宅診療を始めたのは、ある患者さんとの出会いが契機となりました。その方は素晴らしい方でした。行動的で、非常に合理的な考えを持った方で。狭心症を患っておられ、救急で運ばれることもあったのですが、帰ってから決まって彼はこう言ったのです。「あいつらの言ってることはわからん」と。いや、わかっておられるんですよ。その証拠に私が同じような説明をすると「そうだよね」と仰っていましたから。おそらく、病院側の対応やら何やらで気になるところがあったのでしょうね。ある日、その方が自宅で亡くなっているのが見つかりました。私は、自ら命を絶たれたと思っています。その頃、高齢者が救急車を頻繁に呼ぶことが世間の話題となり、バッシングの対象となっていました。おそらくですけども、彼は耐えられなかったのでしょうね。そんな指さされるくらいなら、胸の多少の痛みは我慢すればいいと。私は今も静かなる自殺が横行していると思っています。善良に生きてきた人ほど、救急車を呼ばずに亡くなっている人が多いのではないでしょうか。
当時は在宅診療を行っていませんでしたが、緊急往診など、やれることはあったはず、という後悔が私につきまといました。彼とのことをきっかけとして在宅診療の必要性を再認識し、専門のクリニックを立ち上げたのです。
ハイブリッドな在宅診療
在宅診療のクリニックとしていくつか特徴がありますけども、まずはレントゲンの機器があり、輸血が可能ということでしょう。両方とも、在宅診療のクリニックで備えがあるのは、全体の2割に満たないのではないでしょうか。診療の上でも役立ちますが、特にレントゲンがあると健康診断が可能となります。老人福祉施設に入居する際には、健康診断が条件となります。しかし、要介護3を超えた人たちを連れて健康診断をするのは、かなりの負担となります。馴染みのケアマネジャーさんや施設から健康診断のための撮影を依頼されることがよくあるのですが、そうした状況ゆえのことだと思いますね。
また当院では精神科を標榜しています。精神科のお薬を処方できるかどうかは、認知症などになった時に特に重要です。一般にご高齢の方は複数の疾患を抱えていますから、精神科単独の診察では用を満たせないことが多く、そのために重宝されるのです。
疾患別に見れば、パーキンソン病などの神経難病を多く拝見しています。パーキンソン病では、脳に植え込んだ電極に電気で刺激を与え、症状を抑えるDBSと呼ばれる療法が必要となります。このDBSの扱いや備えがある点も特徴の1つと言えるでしょう。また私は糖尿病の指導医の資格を有しており、インスリンポンプと呼ばれる、24時間インスリンを持続的に注入できる機器を使用されている患者さんの管理をしています。このポンプ、問題なのは管理を担う施設が限られていることです。私どもは三軒茶屋にもクリニックを構えていますが、世田谷区内でポンプを扱うのは当院を含めて3施設しかありません。そうした複数の要素をハイブリッドに備えている点は、在宅診療のクリニックの中で大きな特徴となっています。
介護はギブアップありのゲーム
1つ申し上げたいのは、介護はギブアップありのゲームということです。あえてこういう言い方をしますが、ゲームなわけですから、途中でギブアップしても大丈夫ということを知っていただきたいのです。介護は、介護力がなければできません。医者が求めに応じて治療をする医療と違うのはその点です。24時間、常に目を配るのは並大抵のことではありません。周囲に身体的な負担もかかりますし、当然、費用も必要となります。それが難しいと判断して、誰が責められるのでしょうか。施設に送ることは悪ではないのです。施設に送ったから、悪い嫁であったり、息子や娘ではないのです。切羽詰まって、肉親に手をかける。こんなことが起こってはいけないし、だからこそギブアップありのゲームと捉えていただきたいのです。
これから受診される患者さんへ
どうか無理をしないでいただきたい。介護保険の仕組み1つ取っても、それを理解するのは大変です。各病院の担当者やケアマネジャー、包括支援センターの方々も大変な努力をされていると思いますが、それでも、80歳を超えた方々が新しい仕組みを一から理解し、最適なものを選ぶのは、それだけで相当な負担となります。繰り返しますが、介護はギブアップありのゲームですから、無理をされることはありません。困ったらいつでも、なんでもご相談いただければと思います。
※上記記事は2024年12月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
竹尾 浩紀 院長 MEMO
糖尿病専門医
- 出身地:愛媛県
- 出身大学:防衛医科大学校
- 趣味:神頼み「伊勢神宮は年に1回以上訪れています」
- 好きな場所・観光地:熱田神宮/バリ島、北海道
- 座右の銘:「あきらめたらそれで終わり」
グラフで見る『竹尾 浩紀 院長』のタイプ
どちらかというと エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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