稲葉内科クリニック
横浜市瀬谷区/中央/瀬谷駅
- 内科
- 胃腸内科
- アレルギー科
- 呼吸器内科
- 循環器内科
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稲葉 允 院長への独自インタビュー
父の無念と母の願いを受け入れて
所詮、医者は修理士。新しい物作りの建築士になりたいと考えていました。第一子として私が生まれた1ヶ月後、田舎の開業医だった父は赤紙で軍医として戦地に。私が3歳になる直前戦死。女学校卒で稼いだ母が医学部に入学し小児科医になりました。我家は代々神宮の家柄、途中医家も兼ね医者としては父で13代目。一人っ子のお前が地業についたら家業をつぶすのか、せめて医師免状をとったのは後は何になってもと母に泣かれ、戦場から母への手紙(それが遺言状になったが)“利巧にはいつでもなれる。息子を馬鹿になる事を教えよ”それ以来、利巧にも馬鹿にもなれず今に至っています。
私は浮気性なところがありまして、大学卒業後、初めは脳神経内科、呼吸器、糖尿病を経て、最後には消化器、主に肝臓を専門としてきました。そうした経緯を経て、1980年12月に「稲葉内科クリニック」をこの地に開設したという次第です。
“ベシ・ベカラズ”を押し付けない
当クリニックでは内科・胃腸科・アレルギー科・呼吸器科・循環器科(・内分泌科)を標榜しています。今と違い、私たちの頃はレジデントと言い、卒業後5年間は自分の”持ちベッド”に入ってくる患者さんをすべて診ていました。白血病の患者さんもいれば、胃がんや喘息の方もいる。そこでは科を区別することなく、あらゆるものを診ることが求められたのです。後年になり、私の専門は消化器ですが、思えばその時点で、様々なものを診ることができる下地があったということなのですね。
開業医は、自分の専門以外のことは診られないということでは困るのです。専門家は、言ってみれば有名な料理屋に例えられるでしょう。日本料理だけ、フランス料理だけを出す。それに対して開業医は居酒屋のようなものであり、常連の患者さんの好みとその日の体調によってお出しするものを変えていかなければならないのです。
近頃は“ベシ・ベカラズ”という風潮があります。あれをやってはいけない。これをするべき、といったようにですね。教科書通りの医療を押し付けてはいけません。その人の個性・特性を考え、適格な医療が受けられるよう手助けするのが私たちの役割だと心得ています。