たかはしメモリークリニック
川崎市宮前区/犬蔵/たまプラーザ駅
- 精神科
- 内科
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高橋 正彦 院長への独自インタビュー
「もの忘れ外来」を中心に、認知症患者さんとご家族をサポート
『たかはしメモリークリニック』では、認知症とそれにまつわる周辺症状について診療する「もの忘れ外来」を中心に、認知症患者さんとご家族をサポートしています。認知症は、65歳以上の方の20%近くにみられる病気で、85歳を過ぎると半数以上の方が発症します。100歳になると100%の確率で発症すると言われますから、年齢を重ねるにつれてリスクが高まる病気であることがお分かりいただけるでしょう。
これほど身近な病気であるというのに、認知症を正しくご理解いただいていない方も多くいらして、「特別な人がなるもの」とお考えになったり、「恥ずかしい」からとご自分の症状を認めたがらない方もいらっしゃいます。でも、「認めたくない」「知られたくない」と受診をためらっていては、症状が進行するばかりです。重症化してからでは、どうしても出来ることが限られてしまいますので、一緒に暮らすご家族に「何かおかしい」と感じることがありましたら、お早めにご相談いただきたいと思います。
認知症患者さんとご家族を、地域全体で支えていく
認知症であるかどうかは、頭部のMRI画像を確認し、認知機能テストなどをおこなうことで診断がつき、治療法としてはお薬を飲んでいただく「薬物療法」、毎日の生活習慣を見直す「非薬物療法」の2つがあります。このうち、欧米では「非薬物療法」の高い効果が注目されていて、患者さんに対するケアの部分、非薬物的なアプローチに重点を置くようになっているんですね。治療の効果が限定的な「薬物療法」に対して、患者さんご本人が心地よく過ごせる環境を整える「非薬物療法」の方が、患者さんやご家族のQOL(生活の質)向上につながるというわけなんです。そのため当院でも、ケアマネージャーの方や地域包括支援センターなどと連携して、認知症患者さんとご家族が安心して生活できるようにサポートしています。
診察の際には、患者さんと私のほかにご家族の方、ケアマネージャーの方という感じに顔を揃えて、部屋の中がいっぱいになることも珍しくありません(笑)。患者さんと直接お話しするのは、全体の3~4分の1程度で、残りの時間はご家族が負担に感じていることなどを丁寧にヒアリングしていきます。専門用語で「家族心理教育」と言うのですが、こうした介護相談を通して、排せつのお悩みや怒りっぽい性格などが改善するようにアドバイスをさしあげるのです。当院が主体となって、患者さんとご家族を支える枠組みを作っていくことも「もの忘れ外来」の役割であり、よく言われる3分診療で実現でるものではありません。それでも私は、認知症患者さんが安心して暮らせる「地域づくり」をするというのが、何よりも大事なことだと考えています。